メタルギアオンライン メタルギアオンラインの概要

メタルギアオンライン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/12 14:49 UTC 版)

概要

メタルギアソリッドシリーズをインターネットを介した多人数同時プレイ用のオンライン対戦ゲームとして再構築したアクションシューティングゲームが『メタルギアオンライン』である。料金は無料。『サブシスタンス』に初めて同梱され、2005年から2006年まで運営されていた。

2006年12月21日に発売されたPSP用の『ポータブル・オプス』でも、MGOを元に対戦人数を少なくした「MATCH」モードが搭載された。オンラインサービスは既に終了している。このモードは特に『メタルギアオンライン』とは称されていないが、ルールやシステムに共通部分が多いため本稿でも記述する。

2008年に発売されたPS3用ソフト『メタルギアソリッド4』にはPS2版『メタルギアオンライン』をさらに拡張・発展させた『メタルギアオンライン』が搭載されている。こちらもソフトを所持していれば無料でプレイ可能。オンライン部分のみをプレイできる『メタルギアオンライン スターターパック』も別途販売されている(内容は本作同梱のものと同じ)。こちらもサービスは既に終了。

E3 2013での小島へのインタビューの一つにおいて、開発中のメタルギアソリッドVにも新しいメタルギアオンラインが付属すると述べられており[1]、実際に2014年12月5日にラスベガスで開催された「The Game Awards 2014」のワールドプレミアにて、メタルギアオンラインが付属することが発表された[2]

MGS3ベースのMGO

概要

2005年12月22日に発売された『サブシスタンス』のDISC2に同梱されていたもので、各ステージを最大8人まで同時に対戦することができ、本編と同様銃器やCQCを駆使して定められた任務を達成するのが目的と言う内容であった。本編と違い、自分のキャラクターが一撃で倒される可能性があるなど、ゲームシステムには変更が加えられている。無線通信を模して、テキストチャットやマイクを利用したプレイヤー同士の連絡が可能。

コナミ主催の大会が何度か開かれ、優勝チームには「小島プロダクションエンブレム表記権」が与えられた。サービスは1年後の2006年12月25日に終了している。

ゲームのルール

勝利条件等が異なる5種類のルールを選択することができる。レスキュー・ミッションを除き、死亡した場合でも、すぐに復帰することができる。

スニーキング・ミッション(SNE)
プレイヤーはスネーク1名と敵兵側に分かれる。スネークは制限時間内に、2つあるマイクロフィルムのうち1つを奪取して、2箇所あるゴールのどちらかにフィルムを届ければ勝利。対する敵兵はスネークの任務遂行を阻止し、制限時間までマイクロフィルムを守りきるかスネークを倒せば勝利となる。スネーク1人に対して守備兵は最大7人と人数に差があるが、装備や能力の面ではスネークが有利になっている。
キャプチャー・ミッション(CAP)
2つのチームに別れ、ケロタンを奪い合う。ケロタンを入手し自陣のゴールに設置して、制限時間になるまで守り抜いたチームが勝利。開発チームでは、ケロタンを運んでいく姿から「ケロタンラグビー」と呼ばれていた。
銃器の使用を制限したユーザー自作のルールは「ラグビー」と呼ばれ、続編のMPO等では変則ルールの一つとして公式採用された。
レスキュー・ミッション(RES)
奪還側と守備側に分かれ、 ガーコをめぐり争う。奪還側は守備側陣地内にあるガーコを入手しゴールに持ち帰るか、守備側全員を倒せば勝利。守備側は制限時間まで人形を守りきるか、奪還側を全て倒せば勝利となる。
死亡してしまうとプレイに干渉できない「ゴースト」となり、残りプレイヤーの戦いの様子を観察することになる。
デスマッチ(DM)
自分以外のプレイヤー全てが敵となり、制限時間内にどれだけ相手を倒せたかを競う。
チーム・デスマッチ(TDM)
青・赤の2チームに分かれてデスマッチを行う。1人倒せばそのチーム側のチケットが1つずつ減っていき、残りチケット数が0になる、あるいは制限時間が終了した時点でチケットの多いチームの勝利となる。

キャラクター

「KGB」「GRU」「山猫部隊」の3チームから選択する。また一定の要件を満たすと、特殊な能力を持った「ユニークキャラクター」を選択することができる。

ネイキッド・スネーク
スニーキング・ミッションを選択した時は、ホストプレイヤーが自動的にスネークになる。スネークを倒した敵兵プレイヤーは、次の試合でスネークとしてプレイする。体力や攻撃力、装備などで優遇され、威力の高い一撃気絶CQCを使うことができる。
ソコロフ
「KGB」で最も成績の悪かった人が使用可能。ステルス迷彩を所持しており、装備すると敵から姿を隠すことができる。ただしスネークと違いネームタグが表示される。
ライコフ
「GRU」で最も成績の良かった者が使用可能。写真に見とれて行動不能になるグラビア雑誌の効果を受けないほか、隙が大きいが威力の高いCQC「股間潰し」を使う特殊能力を持つ。
オセロット
「山猫部隊」で最も成績の良かった者が使用可能。回転式拳銃の「コルト・シングルアクションアーミー(SAA)」を装備しており、跳弾で攻撃することができ、CQCの威力が若干高い。また、SVD以外の武器でのヘッドショットを受けた際、一発目ではベレー帽が飛んで若干のダメージを受けるのみで即死せず、二発目で他キャラクターと同様のヘッドショット判定を受ける。
日ノ本零子、麗琥
ランブルローズのキャラクター。総プレイ時間が50時間を超えている、または何らかの称号を得ているプレイヤーがホストを務めた場合、そのゲーム中に最も成績が良かった人が使用できる。隙は大きいが威力の高いCQC「サンライズスープレックス」を使うことができる。

本編との相違点

部位ダメージ
本編の操作キャラクターであるスネークは、攻撃を受けた部位によるダメージの差が無かったが、オンラインモードでは全キャラクター通して、攻撃された部位によってダメージに差がある。部位ごとのダメージ量は固定ではなく、武器の威力と各部位に設定されたダメージ割合によって決定される。
多くの場合、ダメージ割合が大きく設定されている頭部を撃つと一撃で相手を倒すことができ、これはヘッドショットと呼ばれる。しかし、威力の低いM1911A1やスコーピオンを使った場合や、体力面で優遇されているスネークは一撃で死亡しない場合もある。
スタミナダメージ
本編では敵兵にのみ適用されていたスタミナダメージだが、オンラインモードではスネークを含む全キャラクターに適用され、スネークが敵の攻撃で気絶する場面も見られる。
武器、装備
火炎放射器、モニターが追加され、代わりにTNTや葉巻など一部の武器、装備は登場しない。
CQCの性能
本編では多彩なアクションが可能だったCQCだが、オンラインモードでは単発の投げ技に変更されている。一般キャラクターは敵に若干のスタミナダメージを与える「直投げ」だが、一部のユニークキャラクターは独自の攻撃法を持つ。
詳しくはキャラクターの項を参照。
キャラクターの挙動
匍匐時の主観視点でのR2、L2ボタンでの「左右覗き込み」は使用不可。立ち、しゃがみ時は本編同様可能だが「背伸び」はいずれの場合も不可。覗き込み中は上体を反らすため他プレイヤーからも目視可能であり、発見される危険がある。また、PS3版のMGOの様な肩越し視点は実装されていない。

MPOベースのMGO

概要

最大6人同時対戦が可能。PSPに搭載されたWi-Fi無線LANを通したネットワーク対戦「インフラストラクチャーモード」と、プレイヤー同士が直接 集まって対戦が出来る「アドホックモード」がある。部隊をインターネット上に出撃させ戦わせる「サイバーバル」ルールも登場した。

オンラインサービスは2012年3月30日に終了。

ゲームのルール

基本ルール
自分が集めた兵士達で編成した最大4人の部隊で対戦し、一人の兵士が倒されると次の順番の兵士が出撃する。兵士が死亡しそうになったら、MGS3本編にも登場したフルトン回収システムにより退却させる事もできるが、スコアから一点減点され、天井がある場合は使用できない。退却に成功すると、退却した兵士の体力は回復し、次の順番が回ってくるまで待機することになる。対戦中、敗北しそうになったら白旗をあげる事も可能。その場合、そのラウンド中に倒された兵士は自軍も敵軍も全て復活するが、メニューに戻ると一時的に戦闘不能になってしまい、そのラウンドのスコアはゼロとなる。
3つのゲームモード
実戦モード
実戦モードでは、対戦中にキャラクターが死亡すると復帰することが出来ず、対戦に負けると相手に奪われてしまう。逆に勝利すれば相手の死亡した兵士を奪えるが、ユニークキャラクターは奪えない。
模擬戦モード
いくら死んでも兵士は復活し、スコアは残らない。
フリーモード
好きなだけ戦えるモード。アドホックのみで可能だが、マップもキャラクターも一つに限定される。
4種類のゲームルール
デスマッチ (DM)
自分以外のプレイヤー全てが敵となり、制限時間内にどれだけ多く得点を獲得したかを競う。対戦中トップのプレイヤーキャラクターの上にはケロタンが表示され、得られる得点が倍となり、失うポイントも倍となる。トップのプレイヤーを倒すと3倍のポイントが入る。
チームデスマッチ (TDM)
青と赤のチームに分かれてデスマッチを行う。相手プレーヤーを1人倒せば相手側のチケットが1つずつ減っていく。先に敵チームのチケットを0にした方が勝利する。
キャプチャーミッション (CM)
自分以外のプレイヤー全てが敵となり、ステージ内にあるケロタン人形を奪い合う。ケロタンを一定時間所持したプレーヤーが勝利する。
チームキャプチャーミッション (TCM)
従来通り、赤と青の2つのチームに分かれ、ステージ内にあるケロタン人形を奪い合う。ケロタンを入手しそれぞれのゴールに設置してから、制限時間になるまで守り抜いたチームが勝利。

サイバーバル

サイバーバルは、戦場に自分の育てたキャラクターを送り出し、3:00・9:00・15:00・21:00時に自動で戦闘が開始され、自分が勝てば相手のキャラを手に入れられ、逆に負けると自分のキャラを奪われる。


  1. ^ Interview: E3 Interview: Kojima on MGS 5”. computerandvideogames (2013年6月13日). 2013年6月15日閲覧。
  2. ^ “『メタルギアオンライン』の最新映像がワールドプレミアで披露【The Game Awards 2014】【動画追加】” (日本語). (2014年12月6日). http://www.famitsu.com/news/201412/06067321.html 2014年12月9日閲覧。 
  3. ^ オンラインサービス終了について (PlayStation 3, Xbox 360)”. メタルギアポータルサイト (2021年8月31日). 2021年9月1日閲覧。
  4. ^ パイプの登り降りは通常キャラクターと同じ。


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