スーダン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/14 22:30 UTC 版)
国民
民族
北部のナイル・サハラ語族ヌビア諸語を話すヌビア人、中部のヌバ山地のニジェール・コンゴ語族コルドファン語派を話すヌバ族や、南部のカドゥ諸語[注釈 4]を話す民族など非アラブ黒人が52 %、北部を中心にアラブ化した黒人や黒人との混血を含む「アラブ系」(en:Sudanese Arabs) が総人口の約39 %、東部のアフロ・アジア語族クシ語派ベジャ語を話すベジャ人 (en:Ababda people、Rashaida people) が6 %、外国人が2 %、その他1 %。
ダルフールの北部にザガワ族、中部にフール人、南部にバッガーラ族が居住している。
言語
アラビア語(スーダン方言)と英語が公用語。ヌビア語など非アラブ民族語も広く話される。
2005年の現行憲法は公用語について以下のように定めている。
第八条
- 全てのスーダン固有の言語は国語であり、敬意をもって扱われ、開発され、普及される。
- アラビア語はスーダンで広く話される国語である。
- アラビア語は国家レベルで主要な言語であり、英語は国家政府の公用作業言語にして、高等教育における教授言語である。
- 英語とアラビア語にくわえ、地方議会においては、それ以外の国語が追加の公的作業言語として受け入れられなければならない。
- 政府と教育のいかなる段階にあっても、英語とアラビア語の使用に差別があってはならない。
婚姻
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宗教
スンナ派を中心とするイスラム教が70 %。南部非アラブ人を中心にアニミズムなどの伝統宗教(18 %)とキリスト教(5 %)。北部に20万人程コプト教徒がいる。
キリスト教徒の多い南スーダンの分離独立に伴い、相対的にスーダンにおける非イスラム教徒比率は下がり、現在はスーダンにおけるイスラム教徒比率は、周辺の北アフリカ諸国同様絶対多数派となっている。現在は北部のコプト教徒、コルドファン丘陵地域のいくつかの伝統宗教やキリスト教を信仰する民族グループを除き、国民の大多数がイスラム教徒である。
南スーダンが独立したことで、キリスト教徒への迫害が強まっており、スーダン国内のキリスト教徒は市民権を失った状態にある[40]。
教育
教育制度は8・3・4制で構成されており、中等教育が小学校8年、中学校(Secondary School)3年、高等教育は大学4年となっている。
スーダンの義務教育は小学校8年のみであり、加えて日本の高等学校やアメリカのハイスクールに該当する教育機関は存在していない。
大学は約25〜30校が存在しており、代表的なものとしてはゴードン記念大学が挙げられる。
バシール政権成立後、教育のイスラム化が重視され、1991年にはイスラム教育が導入された。これは非イスラム教圏にも適用されたため、国内の非イスラム教徒の反発を招いた。
同国は歴史的背景などの諸事情により経済状況が不安定で未だに解消されていない為、その影響から40 %以上の子供が学校へ充分に通えていない問題点を抱えている。
保健
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注釈
- ^ 2019年のクーデター以降3年間の暫定統治期間は、最高機関として、11名による合議制である主権評議会が設置されていた[1]が、2021年10月25日にブルハーン議長が一方的に解散を宣言し、11月11日に14名による新たな主権評議会を組織。
- ^ イギリス・エジプト二元管理協定のもと、事実上イギリスの植民地となった。
- ^ ユニティ州ヌバ山地から戦闘を逃れてきた南部系住民2万人を収容している。
- ^ カドゥ諸語は、ジョーゼフ・グリーンバーグの説でニジェール・コンゴ語族コルドファン語派に分類されたが、その後政治的な思惑もありナイル・サハラ語族とする説が浮上したものの分類に関する態度は政治的な緊張から保留されたままである。
出典
- ^ スーダンにおける暫定的な統治機構の設立に向けた合意について(外務報道官談話)日本国外務省(2019年7月9日)2023年4月18日閲覧
- ^ “Sudan” (英語). ザ・ワールド・ファクトブック. 2022年8月26日閲覧。
- ^ a b c d e “World Economic Outlook Database” (英語). IMF. 2021年10月20日閲覧。
- ^ 宮本正興・松田素二編『新書アフリカ史』第8版(講談社現代新書、2003年2月20日)pp. 149–158
- ^ 「スーダンで反クーデター 再びヌメイリ議長」『中國新聞』夕刊1971年(昭和46年)7月23日1面
- ^ "Sudan: Breaking the Abyei Deadlock" (PDF, 456 KiB) , International Crisis Group, 12 October 2007, p. 2
- ^ 片山正人『現代アフリカ・クーデター全史』叢文社 2005年 ISBN 4-7947-0523-9 p333
- ^ 小田英郎・川田順造・伊谷純一郎・田中二郎・米山俊直監修『新版アフリカを知る事典』(平凡社、2010年11月25日新版第1刷)p. 540
- ^ “スーダンのデモ隊、軍事評議会との歴史的合意に歓喜”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年7月6日) 2019年10月10日閲覧。
- ^ “スーダンで暫定憲法に調印、8か月の混乱に終止符 喜びの声 夜更けまで”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年8月18日) 2019年10月10日閲覧。
- ^ “スーダンで文民多数の統治機構発足 首相就任”. AFPBB News. フランス通信社. (2019年8月22日) 2019年10月10日閲覧。
- ^ “Sudan's Opposition Alliance Chooses Prime Minister”. ボイス・オブ・アメリカ. (2019年8月16日) 2019年10月10日閲覧。
- ^ “アフリカ連合がスーダンの加盟資格を停止”. TRT 日本語. トルコ国営放送. (2019年6月7日) 2019年6月9日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “スーダン、AUに復帰=組閣受け資格停止解除”. 時事ドットコム (時事通信). (2019年9月8日). オリジナルの2019年11月6日時点におけるアーカイブ。 2021年10月25日閲覧。
- ^ a b “スーダン、暫定政権を解散 軍が首相ら拘束、クーデターか”. 時事ドットコム (時事通信社). (2021年10月25日) 2021年10月25日閲覧。
- ^ “軍、首相の復職に同意 拘束の高官ら解放へ―スーダン”. 時事ドットコム (時事通信社). (2021年11月21日) 2021年11月21日閲覧。
- ^ 「スーダン 民間97人死亡 各地で戦闘、被害拡大も」『朝日新聞』朝刊2023年4月18日(国際面)同日閲覧
- ^ “難民の子供、4カ月で1200人死亡 紛争が健康に影響―スーダン”. 時事通信 (2023年9月15日). 2024年4月28日閲覧。
- ^ “スーダン首相、新内閣の陣容発表 民政移管へ大きく前進”. AFP (2019年9月6日). 2020年5月14日閲覧。
- ^ “四半世紀ぶり首相復活=大統領側近バクリ氏が就任-スーダン”. 時事通信. (2017年3月5日) 2017年3月12日閲覧。
- ^ “スーダン、女子割礼を違法に 長期政権崩壊で権利向上”. 東京新聞 (2020年7月12日). 2020年7月13日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “米国がスーダンのテロ支援国家リスト指定を解除”. JETRO (2020年12月20日). 2020年12月30日閲覧。
- ^ Duncan Clarke『Africa: Crude Continent: The Struggle for Africa's Oil Prize』210頁
- ^ “Chinese peace-keeping force formed for Sudan mission” (英語). 人民網 英語版. 新華社通信. (2005年9月9日) 2021年8月31日閲覧。
- ^ “中国資本の新大統領府が完成、スーダン”. AFPBB. (2014年9月21日) 2018年7月18日閲覧。
- ^ 「スーダン大統領訪ロ=プーチン氏と会談」AFP時事(2017年11月24日)2018年1月16日閲覧
- ^ “スーダンもイランと断交 UAEは外交格下げ、周辺国に影響拡大”. ロイター (ロイター). (2016年1月4日) 2016年1月4日閲覧。
- ^ 紅海の島巡り対立/トルコが開発権 サウジなど反発『毎日新聞』朝刊2017年1月16日
- ^ “エチオピア人約2.5万人、戦闘逃れスーダンに流入”. AFP (2020年11月16日). 2020年11月22日閲覧。
- ^ a b “スーダン基礎データ”. 外務省 (2020年11月30日). 2021年8月31日閲覧。
- ^ “Arms Transfers Database”. ストックホルム国際平和研究所. 2018年6月27日閲覧。
- ^ “Al-BASHIER Battle Tanks” (英語). Military Products. Military Industry Corporation. 2012年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年11月5日閲覧。
- ^ “スーダン陸軍がアフリカ最強に? 中国がロケット砲輸出か”. MSN産経ニュース. 共同通信. (2009年5月21日). オリジナルの2009年5月26日時点におけるアーカイブ。 2021年8月31日閲覧。
- ^ 『朝倉世界地理講座 アフリカI』初版所収「ナイル川の自然形態」春山成子、2007年4月10日(朝倉書店)197頁。
- ^ 佐藤, 貴生 (2017年9月28日). “中国、南スーダンで存在感 病院、レストラン、油田も…”. 産経新聞 2021年8月31日閲覧。
- ^ 吉田昌夫『世界現代史14 アフリカ現代II』山川出版社、1990年2月第2版、106-108頁。
- ^ NHK-BS1「きょうの世界」2008年10月21日放送回より。[出典無効]
- ^ Riding the Nile train: could lifting US sanctions get Sudan's railway on track?
- ^ “Religion in Sudan according to the CIA World Factbook”. Cia.gov. 2010年12月23日閲覧。
- ^ “キリスト教徒、迫害でスーダンから脱国 南部スーダン独立後、迫害深刻に”. クリスチャントゥデイ. (2013年1月10日) 2013年1月10日閲覧。
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