エテンザミド エテンザミドの概要

エテンザミド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/13 00:36 UTC 版)

エテンザミド
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
投与経路 経口
薬物動態データ
代謝肝臓
識別
CAS番号
938-73-8
ATCコード N02BA07 (WHO)
PubChem CID: 3282
KEGG D01466
化学的データ
化学式C9H11NO2
分子量165.19 g·mol−1
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構造

サリチル酸のカルボキシ基とアンモニアがアミド結合した物が、サリチルアミドである。したがって、サリチル酸が持つ水酸基は、サリチルアミドにも残存している。この水酸基にエタノールをエーテル結合させた物が、エテンザミドである。

利用

日本でエテンザミドは、主に市販の頭痛薬総合感冒薬として使用される薬の1つである。さらに、アセトアミノフェンカフェインと共にエテンザミドも配合され、ACE処方として用いられる製剤も出回ってきた。剤形は主に錠剤や散剤であり、それらは経口投与で用いる。頭痛歯痛生理痛などの痛みや、発熱を抑えるために使用される場合が有る。

生理作用(作用機序と副作用)

エテンザミドは、他のサリチル酸誘導体と同様の作用機序で解熱・鎮痛作用を発現し、アセチルサリチル酸と同等の作用を持つ。ただし、アセチルサリチル酸は胃内で一部が加水分解されて、サリチル酸を遊離させて胃粘膜に障害を起こすのに対し、エテンザミドはサリチルアミドになるため、胃に対する副作用は比較的軽いとされている。一方で、サリチル酸系の解熱鎮痛消炎剤の共通の作用機序は、COXの阻害にある。したがって、プロスタグランディン類の全ての生合成を抑え込むため、消化管粘膜の防御因子の産生も抑え込まれるので、たとえエテンザミドであっても、COX阻害薬に共通する問題の1つである胃も含めた消化管障害の副作用は、免れない。無論、その他のCOX阻害薬に共通する副作用も、例えば、出血傾向、腎動脈収縮に伴う障害などが発生し得る。その他、予期の難しい副作用として、特異体質による副作用が稀に有り得る。

禁忌

原則として、アスピリン喘息の既往の有る者には禁忌である[注釈 1]。同じく、COX阻害薬であるため、胎児の循環系に異常を来たす可能性が有るため、妊娠末期の女性にも禁忌である。また、小児のインフルエンザの解熱にも避ける。さらに、COX阻害薬の一般的な注意事項として、消化性潰瘍患者、出血傾向の患者、腎疾患患者、重度の肝疾患患者、重度の心疾患患者への投与は避ける。

薬物相互作用

ワーファリンなどの抗血小板薬、炭酸リチウム、チアジド系利尿薬などと相互作用を起こす場合がある。

毒性

マウスに経口投与した場合の半数致死量は549 (mg/kg)である[1]

脚注

注釈

  1. ^ 簡単に言えば、アラキドン酸を代謝するCOXを阻害した結果として、アラキドン酸が余り、そのアラキドン酸を代謝する、もう1つの酵素のリポキシゲナーゼが産生するロイコトリエン類が増加し易い。ロイコトリエン類の中には、気道を狭めたり、気道の分泌物を増やす物も有るため、喘息発作が誘発される場合が有るためである。

出典

  1. ^ 中毒データベース検索システム

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