アルフレッド・マーシャル
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語録
- 「経済学者は、cool head, but warm heart 冷静な頭脳と温かい心 を持たねばならない」(1885年ケンブリッジ大学経済学教授の就任講演)[14]
- マーシャルは、理論が現実から乖離すれば「単なる暇つぶし」に過ぎないとしており、現実の課題と理論上の問題を混同しないように警告していた[15]。
- 「もし人々が富を誇りとしないならば、人間は自らを尊敬することはできない。世界の真の栄光に役立とうとして、富を得るために大いに努力することは、確かに有意義である。」と語った[6]。マーシャルは、19世紀末から20世紀初頭にかけては、富を軽蔑するような振る舞いが増えているが、それはその方が容易だからであるとも語った[6]。
- 「現在の経済状態に固有の弊害を誇張することは、長い目で見れば進歩を遅らせることになる。」[8]
- 「経済学者は一般に、民間の努力の範囲内ではカバーできない社会改良のための国家活動が活発になることを望んでいる。しかし、集産主義者が望むような国家活動の著しい拡大には反対である。」[7]。民衆の社会的改善を促進するために熱心に努力する者は、社会主義者であるといわれるが、その意味では自分も、ほとんどすべての経済学者も、社会主義者であるとマーシャルはいう[7]。
著作
- 1879年 - The Economics of Industry (メアリ・ペイリーとの共著)
- 1879年 - The Pure Theory of Foreign Trade: The Pure Theory of Domestic Values
- 1890年 - Principles of Economics
- アルフレッド・マーシアル 『經濟學原理』 - 国立国会図書館デジタルコレクション 大塚金之助訳、福田徳三補訂、佐藤出版部、1919年(大正8)
- アルフレッド・マーシァル『経済学原理 分冊1』 - 国立国会図書館デジタルコレクション 大塚金之助訳、改造社、大正14-15
- アルフレッド・マーシァル『経済学原理 分冊2』 - 国立国会図書館デジタルコレクション 大塚金之助訳、改造社、大正14-15
- アルフレッド・マーシァル『経済学原理 分冊3』 - 国立国会図書館デジタルコレクション 大塚金之助訳、改造社、大正14-15
- アルフレッド・マーシァル『経済学原理 分冊4』 - 国立国会図書館デジタルコレクション 大塚金之助訳、改造社、大正14-15
- 『経済学原理』馬場啓之助訳、東洋経済新報社、1965-1967年。
- 『経済学原理 : 序説』永沢越郎訳、岩波ブックセンター信山社、1985年。
- 1919年 - Industry and Trade
- 『産業貿易論』佐原貴臣訳、東京寶文館、1923年。
- 『産業と商業 : 産業技術と企業組織、およびそれらが諸階級、諸国民に与える影響の研究』永沢越郎訳、岩波ブックセンター信山社、1986年。
- 1923年 - Money, Credit and Commerce.
- 『貨幣信用と商業』油谷十二訳、中外文化協會、1925年。
- 『貨幣信用及商業』松本金次郎訳、自彊館書店、1927年。
- 『貨幣信用貿易』永沢越郎訳、岩波ブックサービスセンター、1988年。
- 1925年 - Memorials of Alfred Marshall(ピグー編集による遺稿集)
脚注
注釈
- ^ この様な性格から、1890年代の大蔵大臣のための貿易政策に関するメモなど、マーシャルの著作には未完で終わったものが多い
- ^ 原題『産業と貿易:産業技術とビジネス機構、及び様々な階級と国民の状態に関するその影響』, "Industry and Trade : A Study of Industrial Technique and Business Organization, and their Influences on the Conditions of Various Classes and Nations"
- ^ 貨幣を回転させた、使った回数と考えても良い
- ^ 現代の労働者の賃金週21シリングでは小麦24ペックが購入できるが、これは中世から近代までの平均的労働者が購入できた小麦6ペックの4倍である。また、イギリスの所得はドイツの所得よりも多い。
出典
- ^ N.Kaldor, Limitations of the General Theory,1983,p1:根井雅弘「マーシャル 『原理』とケンブリッジ学派」経済学史学会年報29 巻 (1991) 29 号,p. 27-31.
- ^ a b 橘木 (2012)、71頁。
- ^ "The Pure Theory of Foreign Trade: The Pure Theory of Domestic Values"
- ^ 橘木 (2012)、73頁。
- ^ ドーンブッシュ、フィッシャー。
- ^ a b c d 『マーシャル クールヘッド&ウォームハート』(2014)、p129-131
- ^ a b c d e 『マーシャル クールヘッド&ウォームハート』(2014)、p135-139
- ^ a b c d e f g 『マーシャル クールヘッド&ウォームハート』(2014)、p125-128
- ^ a b c d e 『マーシャル クールヘッド&ウォームハート』(2014)、p145-147
- ^ 『マーシャル クールヘッド&ウォームハート』(2014)、p149-155
- ^ a b c 『待忍説』 - コトバンク
- ^ 中野剛志『国力論』以文社2008年、pp.143-149
- ^ 中野剛志『国力論』以文社2008年、pp.147-149
- ^ Marshall (1885), p. 57.
- ^ 日本経済新聞社編 『世界を変えた経済学の名著』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2013年、201頁。
固有名詞の分類
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