いしつぶつ‐ほう〔ヰシツブツハフ〕【遺失物法】
遺失物法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/16 14:32 UTC 版)
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。
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| 遺失物法 | |
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| 日本の法令 |
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| 法令番号 | 平成18年法律第73号 |
| 提出区分 | 閣法 |
| 種類 | 民法 |
| 効力 | 現行法 |
| 成立 | 2006年6月9日 |
| 公布 | 2006年6月15日 |
| 施行 | 2007年12月10日 |
| 主な内容 | 遺失物に関する法律 |
| 関連法令 | 民法 |
| 条文リンク | 遺失物法- e-Gov法令検索 |
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遺失物法(いしつぶつほう、平成18年6月15日法律第73号)は、遺失物、埋蔵物その他の占有を離れた物の拾得および返還に係る手続その他その取扱いに関し必要な事項に関する日本の法律である[1][2][3]。旧遺失物法(明治32年法律第87号)を全部改正して成立[3]。
構成
- 第1章 - 総則(第1条 - 第3条)
- 第2章 - 拾得者の義務及び警察署長等の措置
- 第1節 - 拾得者の義務(第4条)
- 第2節 - 警察署長等の措置(第5条 - 第12条)
- 第3節 - 施設における拾得の場合の特則(第13条 - 第26条)
- 第3章 - 費用及び報労金(第27条 - 第34条)
- 第4章 - 物件の帰属(第35条 - 第37条)
- 第5章 - 雑則(第38条 - 第40条)
- 第6章 - 罰則(第41条 - 第44条)
手続
拾得者の義務
- 第4条
- 拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない。ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長に提出しなければならない(第1項)[2][4][5]。
- 施設において埋蔵物を除く物件を拾得をした場合は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者に交付しなければならない(第2項)[2]。
- 前二項の規定は、動物の愛護及び管理に関する法律第35条第3項に規定する犬又は猫に該当する物件について同項の規定による引取りの求めを行った拾得者については、適用しない(第3項)[2]。
物件の帰属
遺失物の場合は、遺失物法(平成十八年法律第七十三号)の定めるところに従い公告をした後3箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する(民法240条)[7][8]。
埋蔵物の場合は、遺失物法の定めるところに従い公告をした後6箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを発見した者がその所有権を取得する。ただし、他人の所有する物の中から発見された埋蔵物については、これを発見した者及びその他人が等しい割合でその所有権を取得する(民法241条)[9]。
ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている所持禁制品については国に帰属する(遺失物法第35条1号・第37条第1項)[2]。個人情報関連物件については、保管する警察署長や特例施設占有者が国家公安委員会規則で定めるところにより速やかに廃棄する(遺失物法第35条2号~5号・第37条第2項・第3項)[2]。
歴史
旧遺失物法
新遺失物法
2006年(平成18年)6月、従来の遺失物法(明治32年法律第87号)を現状の遺失物の取り扱いにそぐわないことと、表記を現代用語化することを理由に全部改正する形で『新』遺失物法が成立し、同年6月15日に公布、2007年12月10日に施行された(平18政21)[3]。
旧法からの主な改正点は以下の通り。
- 遺失物の保管期間が3か月に短縮された(7条4項)[1][11]
- 警察では提出を受けた遺失物に関する情報をインターネット等により公開する(8条2項)[3]
- 特例施設占有者制度の創設(17条以降)[3]
- 傘、衣類、自転車などは2週間以内に遺失者が判明しない場合売却できることとされた(9条2項)[3]
この改正を受け、交通事業者の間では、拾得物の保管期限を短縮する動きが出ている[12][13]。
外部リンク
- 都道府県警察における遺失物の公表ページ 落とし物検索システムは都道府県ごとに用意されている。
- 遺失物法施行令 e-Gov法令検索
- 遺失物法施行規則 e-Gov法令検索
脚注
- ^ a b 我妻榮、有泉亨、清水誠、田山輝明『我妻・有泉コンメンタール民法 総則・物権・債権 第3版』日本評論社、2013年、450頁。
- ^ a b c d e f g “遺失物法”. e-Gov法令検索. 2025年12月16日閲覧。
- ^ a b c d e f “遺失物法”. 衆議院 (2006年6月15日). 2025年12月16日閲覧。
- ^ 「10万円分の商品券が郵便受けに…埼玉・熊谷市」『読売新聞』読売新聞社、2004年9月18日。オリジナルの2004年9月20日時点におけるアーカイブ。2025年12月6日閲覧。
- ^ 「民家の郵便受けに現金1100万円 岡山・倉敷」『朝日新聞』朝日新聞社、2006年3月18日。オリジナルの2006年3月19日時点におけるアーカイブ。2025年12月6日閲覧。
- ^ “所有者の判明しない犬又は猫その他の動物が拾得された場合の取扱い等について”. 環境省. 2022年3月19日閲覧。
- ^ 『毎日新聞』2008年2月23日 地方版/新潟 22頁「拾得物:4万700件、うち52%が落とし主に--昨年の県内 /新潟」(毎日新聞東京本社)
- ^ 『朝日新聞』2012年9月13日 朝刊 群馬全県・1地方33頁「食器箱の270万円、落とし主現れず 所有権、きょうから邑楽町社協へ /群馬県」(朝日新聞東京本社)
- ^ 『朝日新聞』2012年10月6日 朝刊 さがみ野・1地方27頁「民家地下から1000万円 掘削工事で発見 伊勢原 /神奈川県」(朝日新聞東京本社)
- ^ 中央省庁等改革関係法施行法(平成11年法律第160号)
- ^ 『朝日新聞』2007年2月20日 朝刊 大阪島根全県・1地方28頁「落とし物3万1000点 1位は傘・つえ 昨年分まとめ、この10年で最高 /島根県」(朝日新聞大阪本社)
- ^ 「“忘れ物の王様”傘の保管期間3カ月から2週間に短縮…阪急電鉄「保管スペースは飽和状態」」『産経新聞』産業経済新聞社、2017年5月26日。オリジナルの2025年12月16日時点におけるアーカイブ。2017年5月26日閲覧。
- ^ 『朝日新聞』2025年6月21日 朝刊 横浜川崎・1地方23頁「電車・バス、傘忘れないで 相鉄、梅雨に急増 /神奈川県」(朝日新聞東京本社)
関連項目
固有名詞の分類
- 遺失物法のページへのリンク