SL2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 01:51 UTC 版)
シュッテ=ランツ飛行船SL2は性能において同時期のツェッペリン飛行船を凌いでいた。SL2はツェッペリンのリングと桁による建造方法を採用したが、一方でSL1の流線型の形態と合板構造も維持していた。SL2は、その後すべての硬式飛行船で採用される2つの不可欠な設計上の革新を実地に移したという点でも、当時最も重要な飛行船であった。ひとつは1対の方向舵と1対の昇降舵からなる十字形の尾翼であり、2つめは、エンジンを別々の流線形のゴンドラに収めたことである。さらに軍事面では3つめの革新もあり、それはエンジン架のそれぞれに敵機の攻撃から守るための重機関銃を取り付けたことだった。 SL2は1914年1月から5月にかけて建造され、オーストリア軍の管轄に移された。そして大戦の最初の年に、ポーランドとフランスに対して6回の任務を遂行した。1915年夏に大型化の改造が行われた後さらに数回の任務を遂行したが、1916年1月10日、燃料が尽きてルッケンヴァルデ(Luckenwalde)で行動不能となり、廃棄された。SL2はシュッテ=ランツの進んだ技術と、ある一定のサイズに達するまでは、張力よりも圧縮に対して優れている木材の特質がシュッテ=ランツ型の飛行船に技術的な優位を与える完璧な例だった。
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