dBASEプログラミング言語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 05:48 UTC 版)
「dBASE」の記事における「dBASEプログラミング言語」の解説
VulcanをIMSAI 8080やCP/MさらにはMS-DOSに移植した後、ラトリフは画面表示を扱うコマンド群や制御構造(DO WHILE/ENDDO や IF/ENDIF)を追加した。データを扱うため、dBaseにはファイルを操作する様々な機能があり、文字列/数/日付などを操作する各種機能がある。関連するデータを持つ複数のファイルを同時にオープンして操作できることから、アシュトンテイトはdBaseを「関係データベース」と称したが、もちろんエドガー・F・コッドの関係モデルに準拠しているわけではない。あえて分類するとすれば、関係データベースとナビゲーショナルデータベースの中間である。 dBaseはインタプリタを備えており、ユーザーはプロンプトにコマンドを打ち込むことでそれを実行させることができる。スクリプト(拡張子はPRG)もDOコマンドを使ってインタプリタで実行され、その中の各コマンドや変数も実行時に評価される。このためdBaseプログラムは簡単に書くことができ、コンパイルなどの手間もかからない。これは、CPUの性能が低い時代には重要な特徴だった。インタプリタはメモリ管理も自動的かつ動的に行うため(メモリ確保などが不要)、プログラミングに不慣れな人でも簡単に使うことができた。 逆に、ユーザーがdBaseの言語に習熟してプロが現れるようになると、その単純さが足かせとなってきた。より複雑で大規模なアプリケーションが開発されるようになって、信頼性と性能のために高度なプログラミング機能が要求されるようになった。 アシュトンテイトと競合するクローンメーカーは、ユーザー定義関数、変数スコープ、複雑なデータを扱う配列、パッケージ機能、オブジェクト指向的構文、遠隔のデータベースにアクセスするインタフェースなどのプログラミング機能を導入するようになってきた。アシュトンテイトも同様の機能を導入していった。さらにSQLも導入されるようになった。 1980年代後半、dBase言語の標準化が検討された(IEEE1192)。その際にアシュトンテイトの製品と区別するために "XBase" と呼ばれるようになった。dBaseやXBaseプログラミングについての書籍も数多く出版された。Joseph Carrabis は1980年代後半に dBase に関するマニュアル本をいくつか執筆し、著書の販売数で世界でも十指に入ることになった。 今日、dBase言語の実装は拡張され、様々な機能が追加されている。GUI操作、分散処理、インターネット、最新の周辺機器とのインタフェースなどである。従来互換のためにdBase言語をサポートするアプリケーションはあるが、dBase/XBaseは既に主要な標準とは言えないものとなった。
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