VISTA画像の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 09:20 UTC 版)
「VISTA望遠鏡」の記事における「VISTA画像の例」の解説
最初に公開されたのは「炎星雲」(NGC 2024)の画像だった(右図 (1))。よく知られたオリオン座内外に広がる、ガスと塵からなる壮大な星形成雲である。この天体は中心が厚い塵の雲に隠れており可視光で見ることはできないが、赤外域での撮影により雲の裏にある若く熱い星のクラスターが可視化された。VISTAカメラの広視野像には、輝きを放つNGC 2023や、名高い馬頭星雲のモヤモヤした形状も捉えられている。 VISTAが捉えた美麗な星雲画像にはほかにもオリオン大星雲や干潟星雲がある。右図 (2) は約1350光年離れたオリオン大星雲(M42)をVISTA赤外線掃天望遠鏡で撮影した広視野像である。VISTAの視野が広大であるため星雲全体が周辺に至るまで単一の画像として記録されている。また赤外域での観測のため、通常は見通せない塵の多い領域の奥深くに隠れた若い星の興味深い活動が明らかにされている。右図 (3) はVVVサーベイで撮影された赤外線画像である。被写体は射手座内にある約4000〜5000光年離れた星の新生児室で、干潟星雲(M8)と呼ばれている。 VISTAは銀河系外の深部を観測することもできる。右図 (4) に示す例は、ろ座内の銀河団の集合写真である。VISTAの広い視野により、印象的な棒渦巻銀河NGC 1365や大型の楕円銀河NGC 1399を始めとする複数の銀河が一枚の画像に収められている。スペクトルの近赤外線域にあるZ、J、Ksの3フィルターを通じて撮影した画像を再構成したもので、銀河団を構成する銀河の多くが捉えられている。図の右下にはNGC 1365が、左方には一群のかすかな球状星団に囲まれたNGC 1399が見えている。画像の広さは約1°×1.5°で総露出時間は25分である。
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