Step 1: 目の前の患者についての問題の定式化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 01:28 UTC 版)
「根拠に基づく医療」の記事における「Step 1: 目の前の患者についての問題の定式化」の解説
現在対処しなければいけない課題の中から、どのような情報が必要か、問題点を抽出する。 問題(臨床疑問 (Clinical Question:CQ))の定式化の基本形は、 Patient:どんな患者が Intervention (Exposure):どんな介入を行われる・暴露を受けるのは Comparison:どんなものと比較して Outcome:どうなるか のように、4つのパーツで構成される。そのため、"four parts question" と呼ばれることもある。また、それぞれのパーツの頭文字を取ってPI(E)COと呼ばれる。 なお、以下のように定式化されることもある。 P:Patients(患者)、Problem(問題)、Population(対象者) I:Interventions(介入) C:Comparisons(比較対照)、Controls または Comparators(対照) O:Outcome(アウトカム) 以上にTimingとSettingを加えることもある。 PI(E)COで定式化した問題は、どのような種類の問題かによって、疑問のカテゴリーが決められる。 問題のカテゴリーには、以下のようなものがある。 治療 予防 頻度 診断 予後 病因、危険因子 害、副作用 治療法・予防法に関する問題の場合のPI(E)COの例 もともとの問い 「糖尿病を合併した山田太郎さんの高血圧には、どの薬を使えばよいだろうか」 定式化したPI(E)CO P:糖尿病を合併した高血圧症に罹患した50歳男性の山田さんが I(E):薬剤Aで治療するのは C:薬剤Bで治療するのと比べて O:より脳卒中や心疾患を予防できるだろうか 問題のカテゴリー:予防 診断に関する問題の場合のPI(E)COの例 もともとの問い 「胸痛を訴える糖尿病の山田太郎さんは、狭心症だろうか」 定式化したPI(E)CO P:胸痛を訴える糖尿病に罹患した50歳男性の山田さんが I(E):負荷心電図を検査するのは C:狭心症の正しい診断と比べて O:どれくらい正しい診断に迫ることができるだろうか 問題のカテゴリー:診断 予後に関する問題の場合のPI(E)COの例 もともとの問い 「糖尿病を合併した山田太郎さんの高血圧をこのまま放っておくと、どうなるだろうか」 定式化したPI(E)CO P:糖尿病を合併した高血圧症に罹患した50歳男性の山田さんが I(E):このまま無治療で経過観察をすると C:(なし) O:どれくらい脳卒中や心疾患になるだろうか 問題のカテゴリー:予後 病因、危険因子に関する問題の場合のPI(E)COの例 もともとの問い 「糖尿病である山田太郎さんは、血圧が高いと心筋梗塞を起こしやすくなるだろうか」 定式化したPI(E)CO P:糖尿病性に罹患した50歳男性の山田さんが I(E):血圧が高いと C:血圧が高くないのと比べて O:どれくらい心筋梗塞が増えるだろうか 問題のカテゴリー:病因、危険因子
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