SFと科学技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 06:19 UTC 版)
「サイエンス・フィクション」の記事における「SFと科学技術」の解説
SFと現実の科学技術の関係については、科学的知見がSF物語の創作材料となることが多いだけでなく、逆にSFが科学の発展を方向付けることもある。 その典型的な例がロボットである。日本にはロボットアニメの伝統があり、それらに触発されてロボット工学の道に進んだ日本人の技術者は多く、日本がロボット工学で世界の最先端にいるのはこれが原因だ、と分析する者もいる。アメリカでも、「『2001年宇宙の旅』のHAL 9000を実際に作ってみたい」という動機で人工知能の研究を行っている研究者が多い。 ジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』も、コンスタンチン・ツィオルコフスキーやロバート・H・ゴダード、ヴェルナー・フォン・ブラウンらのように少年期にこれを読んでロケット工学の研究に着手し、この分野で名を成した研究者がおり、彼らの手によってついには実際に月まで人間を運ぶに至った。一方、H.G.ウェルズのファンであった科学者レオ・シラードは、『解放された世界(英語版)』に登場した原子力兵器に触発されて核エネルギーの開発に着手、結果として後年に日本への原子爆弾投下が実現してしまった。 携帯電話、テレビ、潜水艦なども、最初はSFの世界で登場して「未来にはきっと存在するであろう技術」として概念が普及し、その後に現実世界でも実現した。このように、ある意味ではSFが科学技術へと影響を与えている一面があるとも考えられる。またNASAで最初のアフリカ系アメリカ人の女性宇宙飛行士、メイ・ジェミソンはスター・トレックに多大な影響を受けたと語っている。
※この「SFと科学技術」の解説は、「サイエンス・フィクション」の解説の一部です。
「SFと科学技術」を含む「サイエンス・フィクション」の記事については、「サイエンス・フィクション」の概要を参照ください。
- SFと科学技術のページへのリンク