SEAFRAME と CGPS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 03:22 UTC 版)
「南太平洋潮位・気候監視プロジェクト」の記事における「SEAFRAME と CGPS」の解説
海面を変動させるさまざまな要因がある中で、温暖化によると思われる長期的な海面上昇の大きさを測定することはたやすいことではない。 気圧の 1 hPa の変動は海面をおよそ 1 cm 変化させ、数か月から数年継続する ENSO(エル・ニーニョやラ・ニーニャ)も海水温の変動によってときに数十 cm もの変動をもたらす。 さらに PDO(太平洋十年規模振動)として議論されている太平洋の海水温の振動現象は何十年もの周期をもつ。 こうした影響を取り除き、なお異常な変動かないかを調べるためには、精密な潮位計や様々な気象データ、地殻変動のデータの何十年もの長期間の継続的観測を行い解析をする必要がある。 また測定装置は互いに遠く離れた地に配置されることになるため、堅牢でメンテナンスの手間がかからないものであることが望まれる。 こうした要請に応える自動潮位・気象観測装置としてプロジェクトでは SEAFRAME が作られた。 SEAFRAME は音響反射と圧力変化を用いて海面の高さを測定し3分間の平均を求めて6分おきに記録する。 また風向・風力・気温・海水温・気圧の気象データを1時間に1度収集する。 収集されたデータは衛星あるいは電話回線を通じてオーストラリア気象局の「国立潮汐センター」(National Tidal Centre, NTC) へと送られる。 電力は太陽電池で供給される。 また、島に相対的な潮位の影響を別として、絶対的な潮位のみの正確な変動を知るためには、地盤沈下やプレート・テクトニクスなどによる観測点の上下動も知らねばならない。 オーストラリア地球科学局が運用する CGPS は、観測点の絶対的な動きを GPS によって精密に測定し、SEAFRAME とリンクして地盤沈下によるような海水面の変動の補正に利用される。
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