RF 遮蔽の仕組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/07 15:36 UTC 版)
電磁波は電場と磁場との組からなっている。電場は導体の中で荷電粒子(すなわち電子)に力を生じさせる。理想導体の表面に電場が加えられると直ちに、電場は電流を生じさせ、導体内部の荷電粒子の移動を引き起こし、荷電粒子の移動が加えられた電場を内部で打ち消し、その時点で電流の流れは止まる。 同様に、変化している磁場は、電流の渦を発生させ、発生した電流は加えられた磁場を打ち消すように作用する(導体が磁場に対し相対的に移動しない場合、導体は静磁場には反応しない)。そのため、電磁波が導体表面から反射されるということになる。つまり、内部の磁場は内側にとどまり、外部の磁場は外側にとどまる。 いくつかの要因が、実際の RF 遮蔽の能力を制限するように働く。一つは、導体の電気抵抗が原因で、励起された磁場は入射する磁場を完全に打ち消すことはない。また、たいていの導体は、低い周波数の磁場に対して強磁性の反応も示す。そのため、当該の磁場は導体により十分に弱められることはない。遮蔽物に開いているどんな穴も、電流が穴の周りを流れるようにさせてしまう。そのため、穴を通り抜ける磁場は、対抗する電磁場を励起することはない。このような効果は、電磁シールドが磁場を反射させる能力を低減させる。 高い周波数の電磁波に関しては、上述した調整が行われるのに無視できない時間を要する。とは言うものの、電磁波のエネルギーは、それが反射されない限りでは、表皮に吸収される(表皮が極端に薄くなければ)。だからこの場合も、内部には電磁場は存在しない。これは表皮効果と呼ばれる。電磁場が電磁シールドに浸透できる深さの尺度は、表皮深さ(en:skin depth)と呼ばれる。
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