pHメーター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/14 21:18 UTC 版)
pHメーター (pH meter) は、水溶液の水素イオン指数(pH、酸性度または塩基性度)を測定するために用いる電子機器である。典型的なpHメーターは、特殊な測定用探針(ガラス電極)がpHを測定して値を表示する電子メーターに繋がった構造をしている。pH測定器、pH計とも。
仕組み
pHメーターの探針は、先端についた薄層ガラス球の周囲のオキソニウムイオンの活性として、pHを測定する。探針は、pHあたり約0.06ボルトの小電圧を作り出し、これを測定して、pHとして表示される。
歴史
最初の商業的なpHメーターは、1936年頃にデンマークのラジオメーター社及びアメリカ合衆国のアーノルド・ベックマンによって開発された。ラジオメーター社は、pHの概念を提唱したセーレン・セーレンセンの依頼によりpHメーターを製造した[1][要出典]。一方、ベックマンは当時、カリフォルニア工科大学の助手であり、サンキスト・グローワーズから速くて正確なレモンジュースの酸性度の測定装置の開発を依頼されていた。ベックマンはこの発明を元にBeckman Instruments company(現在のBeckman Coulter)を立ち上げた。2004年、ベックマンのpHメーターは、商業的に成功した最初のpHメーターとして、アメリカ化学会からNational Historic Chemical Landmarksに認定された[2]。
1970年代、台湾の任氏電子工業は、最初の持ち運び可能なデジタル式pHメーターを開発、製造した。このpHメーターは、Cole-Parmer'sの商標で販売された。
校正と利用
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出典
外部リンク
- Introduction to pH – Excellent overview of pH and pH measurement at the Omega Engineering website
- Development of the Beckman pH Meter – National Historic Chemical Landmark of the American Chemical Society
- Radiometer Analytical - コペンハーゲンで創業した ラジオメーター社の本社は、現在リヨンにある。
pHメーター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 08:03 UTC 版)
「アーノルド・ベックマン」の記事における「pHメーター」の解説
ベックマンは計測機器の製作が得意であり、学長であるロバート・ミリカンに付託された、政府や企業の科学技術に関する問題を解決していくうち、外部の依頼も受けコンサルタント業を始めるようになった。顧客の1人は、詰まらないインクの開発を依頼した。ベックマンは、有毒の酪酸でインクを作って、それを解決したが、この物質のせいで製造してくれる製造業者がおらず、ベックマンは自身でそれを作った。ベックマンはカリフォルニア工科大学の学生2人を雇ってNational Inking Appliance Companyを立ち上げた。タイプライター用のインクとして売り込んだこの事業はうまくいかなかったが、自身による会社経営や商品売り込みを初めて経験することになった。 別の顧客であるサンキスト・グローワーズは、製造工程に問題を抱えていた。製品に適さないレモンは、ペクチンやクエン酸の原料に回されるが、その際、保存料として二酸化硫黄が用いられる。サンキストは、リトマス紙に代わり、常時酸性度を監視する方法の開発を求めた。ベックマンは1935年にpHメーターを開発し、pHメーターは溶液の酸性度を測定する重要な道具となった。pHメーターに関する特許は全国的に知られた科学機器販売業者であるArthur H. Thomas Companyによって注目・販売され、ベックマンは会社名をNational Technical Laboratoriesと改めた。pHメーターの成功により、1939年にベックマンは大学を去り会社の専任社長となった。
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