クロム酸酸化
PDC酸化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/24 14:36 UTC 版)
PDC(Pyridinium Dichromate、二クロム酸ピリジニウム、(C5H5N+H)2・Cr2O2−7は1979年にE. J. Coreyらによって調製された酸化剤で無水クロム酸の水溶液にピリジンを加えると得られる結晶である。なお、無水クロム酸の水溶液を過剰のピリジンに加えて得られる酸化試薬はコーンフォース試薬(Cornforth reagent)と呼ばれ1962年にすでに報告されていたが、PDCはこの試薬の活性種と考えられている。 PCCと同様に試薬に吸湿性は無く普通に保管が可能である。反応性もPCCと類似しているが、PCCとは異なり中性の試薬であるので酸性下で不安定な基質に対しても使用できる。PDC酸化ではジクロロメタンを溶媒として反応を行うが、ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒とすることもある。DMFを溶媒とした場合には、第1級アリルアルコールや第1級ベンジルアルコールはアルデヒドで酸化が止まるが、それ以外の第1級アルコールはカルボン酸まで酸化される。ペースト状残渣の発生を防ぐためにモレキュラーシーブなどを併用するのもPCCと同様である。
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