PDEⅢ阻害薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/30 09:15 UTC 版)
サイクリックAMPを分解するPDEⅢを阻害することで細胞内Ca+濃度を高め、それによって心収縮を増加させる作用がある。β1受容体を介さないため、β受容体のダウンレギュレーションは起こらない。血管平滑筋にも作用し、末梢の血管拡張作用もある。血管拡張の際に必要となる心収縮力を補えるため非常に使いやすいものの、心収縮力改善という点ではカテコラミンに劣り、また、効果発現に30分程度かかるという弱点がある。具体的な用法としては、肺高血圧を合併しているとき、拡張障害や後負荷の上昇が伴っているとき、カテコラミンの感受性が低下しているとき、カテコラミンの催不整脈作用を避けたいときに、カテコラミンと併用で用いられる場合が多い。 オルプリノン(コアテック) ミルリノン(ミルリーラ) 維持量は0.25~0.75γである。ミルリーラは1アンプル10mlに10mg含まれているため、2アンプルを5%ブドウ糖液100mlで溶解すると0.2mg/mlとなり、このとき、体重50kgならば3.75~11.25ml/hrが維持量となる。原液のまま1ml/hrから開始することもできる(このときの量は0.33γとなる)。
※この「PDEⅢ阻害薬」の解説は、「昇圧剤」の解説の一部です。
「PDEⅢ阻害薬」を含む「昇圧剤」の記事については、「昇圧剤」の概要を参照ください。
- PDEⅢ阻害薬のページへのリンク