血管平滑筋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:47 UTC 版)
アデノシンは、様々な理由で細胞内から細胞外へ分泌される事が知られている。例えば、異常な低酸素におかれた組織の細胞からも、アデノシンは分泌される。低酸素状態に陥った組織の細胞からアデノシンが分泌されると、付近の血管の平滑筋に作用して、これを受けて血管平滑筋が弛緩する事で血管を拡張させて、局所で血流を増加させようとする。また、細胞での代謝活動が亢進した際にも、アデノシンは細胞外へと放出される。例えば、骨格筋が激しい運動を行っている際にも、アデノシンが細胞外へと放出され、これが周囲の血管平滑筋に作用して、血管を弛緩させる。骨格筋への血流を増加させる要因の1つである事も知られている。 なお、この血管を弛緩させる作用は、血管平滑筋のA2受容体がアデノシンを検知した際の反応である。実は、腎臓の輸入細動脈の血管平滑筋には、A1受容体が発現しており、こちらにアデノシンが作用すると、逆に輸入細動脈は収縮する。しかしながら、ほとんどの血管では、A2受容体にアデノシンが作用した結果として発生する血管の弛緩作用の方が、より優位である。
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