NeXTの遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 02:59 UTC 版)
NeXT買収によりAppleの業績は回復し、NeXTの技術を基盤としたOSを開発し、搭載したiMacやMacBookやiPhone等のヒット商品を連発するようになった。 OPENSTEPの技術はMac OS Xに引き継がれ、Appleのソフトウェア技術の中核になった。人材面でも、NeXT出身のエンジニアがAppleの主要メンバーとして活躍している。現在のAppleのOS担当上級副社長クレイグ・フェデリギ(前任者スコット・フォーストール、バートランド・サーレイやアビー・テバニアンも)らはNeXTの経歴を持つ。 NeXT買収後、NeXTSTEPのPowerPCへの移植が行われ、それと同期するようにインテル版とWindows版のOpenStep Enterpriseツールキットにも改良が加えられていった。このオペレーティングシステムはRhapsodyというコード名で呼ばれ、全プラットフォーム共通の開発ツールキットはYellow Boxと呼ばれた。従来との互換性を保つため、Classic Mac OS用アプリケーションが動作するBlue Boxという環境が追加された。 1999年、この新オペレーティングシステムのサーバ版であるMac OS X Server 1.0がリリースされ、2001年には通常版のMac OS X v10.0がリリースされた。OPENSTEPを元にしたAPIはCocoaと改称された。RhapsodyのBlue BoxはClassic環境と改称された。また、既存のアプリケーションを移植しやすくするため、Mac OSのToolboxに相当する環境をCarbonとして搭載した。macOSにはNeXTSTEPから受け継いだインタフェースがいくつかある。例えばDock、サービスメニュー、Finderのブラウザビュー、NSText、フォントや色のシステムワイドなセレクタなどである。 NeXTSTEPのプロセッサに依存しない機能はmacOSにも残った。各バージョンはPowerPCとx86アーキテクチャの両方でコンパイルできるよう保持されていたが、2005年まではPowerPC版だけが公にリリースされていた。2005年6月6日、AppleはMacintoshのプロセッサをインテルに移行する計画を発表し、2020年6月にはインテルからARMへの移行する計画を発表した。さらにiPhoneやiPad向けにはiOS, iPadOSとして、ARM向けのmacOSのサブセットといえるものが使われている。
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