MP4/10
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/06 17:54 UTC 版)
「マクラーレン・MP4/10」の記事における「MP4/10」の解説
エンジンはプジョーとの複数年契約を1年で打ち切り、この年からメルセデス製V10エンジンを搭載する。ホンダエンジンの撤退後はフォード・コスワースHB (1993年) 、プジョー (1994年) 、メルセデスと3年続きでエンジンメーカーを乗り換えることになった。排気量はレギュレーション改訂により3.5リッターから3リッターに縮小された。 マクラーレンとしては初めて本格的なハイノーズを採用し、ベネトン式の吊り下げフロントウィングを装備した。ハイノーズはベネトンの「バナナノーズ」よりも鋭く尖り、上下にボリュームがあった。リアウィングのメゾネットウィングが禁止されたが、マクラーレンはエンジンカウルを水平方向に延長し、その上に小型の「センターウィング」を装着した。 センターウィングの効果やサイドポンツーンの形状には疑問符が付き、不恰好なハイノーズや冷却効率を無視したサイドポンツーンなどにより、関係者からは「マクラーレンには空力エンジニアはいないらしい」と酷評された。最大の失敗は空力を追求するあまりリアサスペンションをいじりすぎて剛性不足に陥り、ここまで基本を見失ったシャーシが出来上がったのは、オートレイ個人の能力よりもマクラーレンの開発体制に何らかの問題があると見られ、パトリック・ヘッドも「スタッフの入れ換えも少なく、外部からの人材招聘による新鮮なインプットがないことにより、それが低迷の原因ではないか」と当時のマクラーレンを評している。 酷評されたセンターウィングだが、翌年以後毎年どこかのチームが、モナコなどダウンフォースが必要なサーキット限定で採用していた。水平方向に伸ばしたエンジンカウルは、後のシャークフィンの原型と見る説もある。 プレシーズンテストでは新加入のナイジェル・マンセルがコクピットの狭さを訴え、開幕2戦を欠場するという事態になった。チームは代わりにマーク・ブランデルをレース毎の契約で乗せることとした。
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