MIPS V
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「MIPSアーキテクチャ」の記事における「MIPS V」の解説
MIPS V は5番目のアーキテクチャで、1996年10月21日の Microprocessor Forum 1996 で発表された。主に3次元グラフィックスの性能向上を目的としている。1990年代中ごろ、組み込み用途以外では主にSGIがグラフィックス・ワークステーションにMIPSマイクロプロセッサを使っていたためである。MIPS V と同時にそれを補完する MIPS Digital Media Extensions (MDMX) というマルチメディア拡張(整数のみ)も発表された。 MIPS V を実装した製品は結局登場しなかった。1997年、SGIはコード名 "H1" または "Beast" と、"H2" または "Capitan" というマイクロプロセッサを発表した。前者は最初の MIPS V 実装で、1999年に出荷予定とされた。"H1" と "H2" のプロジェクトは後に統合され、最終的に1998年に中止となった。 MIPS V は pair-single (PS) と呼ばれる新たなデータ型を追加していた。これは単精度(32ビット)浮動小数点数のペアを64ビットのFPUレジスタに格納するものである。算術演算命令、比較命令、条件転送命令ではPSデータをSIMD風に扱う。またPSデータのロード、配置変更、変換などの命令が追加されている。既存リソースで浮動小数点SIMDを実現しようという試みだった。
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