JOAQUIN RODRIGO

ピティナ・ピアノ作曲家事典

ロドリーゴ

【英】：Rodrigo, Joaquin

[スペイン]  1901～1999

2007年6月 執筆者： 若松　聡史

　20世紀のスペインを代表する盲目の作曲家、ピアニスト。スペイン東部のサグントに生まれた。3歳のときに悪性ジフテリアにかかり失明するが、幼少時から音楽教育を受け、早くから楽才を示した。地元バレンシアの音楽学院で学び、1927年にパリのエコール・ノルマル音楽院に留学しデュカスの元で5年間学んだ。その後、1933年にトルコ人ピアニストのビクトリア・カムヒと結婚した。
　作風は古典の様式とリズムを土台とし、スペインの国民音楽と、師であるデュカスのフランス音楽の影響を受けた旋律的で色彩感豊かな独自の音楽であり、その作風を生涯貫いた。作品は歌劇、管弦楽、ピアノ曲、ギター曲など数多く、各ジャンルに作品を残している。
　ギター協奏曲「アランフェス協奏曲」（1939年）はあまりにも有名だが、彼はギターを弾くことができなかった。日頃から親しく触れ特別の愛情と熱意を抱いていた楽器はピアノである。ピアノ曲を書くときは、小規模で古典的様式の明快な曲を構築しようとし、スカルラッティなどから着想を得た。

ピアノ独奏曲

作曲年代順  [ピアノ独奏曲]

組曲／Suite 1923[9'30"]

秋の子守歌／Berceuse d'automne 1923[3'30"]

歌と踊り／Canción y danza 1925[6'30"]

早起き鶏への前奏曲／Preludio al gallo mananero 1926[3'30"]

パストラール／Pastorale 1926[2'30"]

遥かなるサラバンド／Zarabanda lejana 1926[4'30"]

バガテル／Bagatela 1926[2'30"]

郷愁のバラード／Balada de Anoranza 1926

春の子守歌／Berceuse de printemps 1928[2'0"]

とある若い娘の名によるバレエの調べ／Air de Ballet sur le nom d'une jeune fille 1930[3'0"]

スペインのセレナード／Serenata Espanola 1931[5'0"]

別れのソナタ（ポール・デュカの墓のための讃歌）／Sonada de Adios 1935[4'0"]

4つの小品／4 Piezas 1936-38[12'0"]

16世紀の5つの小品／Cinco piezas del siglo XVI 1938[15'0"]

3つのスペイン舞曲／3 Danzas espanolas 1941[4'30"]

朱色の塔のかげに ／A l'ombre de Torre Bermeja 1945[4'30"]

セシリアのアルバム（小さな手のための6つの小品）／El Album de Cecilia (6 Piezas para manos pequenas) 1948[6'0"]

カスティーリャのソナタ集、物売りの声によるトッカータ付き ／Sonatas de Castilla, Toccata a modo de Pregón 1950-51[25'0"]

アンダルシアの4つの版画 ／4 Estampas Andaluzas 1946-52[15'0"]

アマポーラの踊り／Danza de la Amapola [1'30"]

3つの回想曲／3 Evocaciones 1980-81[12'30"]

郷愁のプレリュード／Preludio de Anoranza 1987[3'30"]

ピアノ合奏曲

作曲年代順  [ピアノ合奏曲]

旅芸人／Juglares 1924[5'30"]

5つの子どもの小品／5 Piezas Infantiles 1925[11'0"]

次官たちの大行進曲／Gran Marcha de Los Subsecretarios 1941[4'30"]

夕方／Atardecer 1975[5'30"]

2つの人形のためのソナティナ／Sonatina para 2 muñecas 1977[7'30"]

室内楽

作曲年代順  [室内楽]

ソナタ・ピンパンテ／Sonata Pimpante 1966[16'30"]

管弦楽とピアノ

協奏曲  [管弦楽とピアノ]

英雄協奏曲／Concierto heróico 1942

ピアノ協奏曲／Concierto para piano y orquesta 1942, revised 1996[30'30"]