ICカードとの関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 18:02 UTC 版)
「大都市近郊区間 (JR)」の記事における「ICカードとの関連」の解説
大都市近郊区間の特例は、列車に乗る手段として紙の乗車券を用いた場合にのみ適用される。列車に乗る手段としてSuicaやICOCA等のICカードを用いた場合は、紙の乗車券とは異なり、同一のICカード取扱エリア内完結の乗車であればどの経路を使用しても最も低廉となる経路による運賃が支払われるとともに、複数日にわたる有効期間や途中下車は不可能な扱いになっている。ただし、片道1回の乗車でかつ環状線1周にならない場合に限られる。 そのため、大都市近郊区間とICカードは運賃計算の考え方は似ているが、大都市近郊区間のエリアとICカードの取扱エリアは必ずしも一致しない。よってICカードの取扱エリア内の相互発着であり、かつ大都市近郊区間の外から発着するような場合には、ICカードの場合と紙の乗車券の場合とで運賃が異なる事象が起きる。 例えば、久留米駅 - 新飯塚駅間を博多駅経由で乗車する場合、紙の乗車券では1500円だが、ICカード利用では950円となる。紙の乗車券の場合、大都市近郊区間内の外から乗車する場合は乗車経路通りの乗車券が必要であるから、「久留米(鹿児島本線)吉塚(篠栗線)桂川(筑豊本線)新飯塚 」と運賃計算されるのに対して、ICカードの場合は同一の取扱エリア内完結の乗車なら、実際の乗車経路にかかわらず最安経路の運賃を適用するため、実際には博多駅を経由したとしても運賃計算上は最安である「久留米(鹿児島本線)原田(筑豊本線)新飯塚」 と原田線経由の運賃が適用されるためである。 このように運賃面で、ICカードと紙の乗車券とで不公平が生じている。また2022年現在、ICOCA近畿圏エリア、SUGOCA福岡・佐賀・大分・熊本エリア等のようにICカードの取扱エリアと大都市近郊区間が一致していないエリアがあったり、ICカードの取扱エリアであるKitacaエリア(札幌地区)、TOICAエリア(東海地区)、ICOCA岡山・広島・山陰・香川エリア等では大都市近郊区間自体が設定されていない。 また前述の大回り乗車についても、IC乗車券で同様に最安経路による運賃での大回り乗車が可能である 。紙の乗車券で大回り乗車をする場合との大きな違いは乗車可能な区間であり、紙の乗車券の場合は大都市近郊区間で、IC乗車券の場合はそのICカードの取扱エリアである。上記の通り大都市近郊区間のエリアとICカードの取扱エリアは必ずしも一致しないため、初乗り運賃ないしそれに準ずる低廉な運賃での大回り乗車が一方でできてもう一方でできない場合が存在する。 (例)尾頭橋駅から一駅隣の金山駅までを尾頭橋駅(東海道本線)岐阜駅(高山本線)美濃太田駅(太多線)多治見駅(中央本線)金山駅 と乗車し、金山駅の改札を出場する場合、このルートは大都市近郊区間に該当しないがTOICAエリアであるため、紙の乗車券では1980円かかるがIC乗車券では最短経路による運賃が適用され、150円となる。
※この「ICカードとの関連」の解説は、「大都市近郊区間 (JR)」の解説の一部です。
「ICカードとの関連」を含む「大都市近郊区間 (JR)」の記事については、「大都市近郊区間 (JR)」の概要を参照ください。
- ICカードとの関連のページへのリンク