Hottentote

実用日本語表現辞典

ホッテントット

英語：Hottentote

「ホッテントット」は、コイコイ人のことを指す言葉である。コイコイ人は、アフリカ大陸の南部、南アフリカからナミビアにかけての、海岸線や高原で暮らす民族である。アフリカ南部のカラバリ砂漠に暮らすサン人と共に、アフリカで最古の民族であると考えられている。

「ホッテントット」という呼び名は、少なからず蔑称の意味合いを含んだ呼び名とされる。今日では「ホッテントット」はコイコイ人に対する差別用語として扱われ、使用ははばかられる。

ホッテントットあらためコイコイ人の女性は、尻が極端に大きく突き出するという身体的特徴を持っている者が多い。この外見は近代のヨーロッパ人に珍しがられた。19世紀イギリスで「ホッテントット・ヴィーナス」と呼ばれたコイコイ人の女性サラ・バートマンは、いわゆるサーカスの見世物のような存在として扱われていた。

サラ・バートマンが病死した後、その遺体は一部ホルマリン浸けにされて展示された。人体標本である。2002年に遺体は南アフリカへ返還され丁重に埋葬された。

「ホッテントット」の語源・由来

「ホッテントット（Hottentot）」は、南アフリカに移住したオランダ人たちがアフリカーンス語で「どもる人」と呼んだ言い方とされる。アフリカへ移住したオランダ系移民は、コイコイ人が使用するナマ語を完全には聞き分けることができず、不分明なのはナマ語の話者がどもっているためであるとして、「どもる人」と呼び始めたらしい。

「ホッテントット」を含むその他の用語の解説

ホッテントット（釣具）

「ホッテントット」は、アメリカの釣具ブランドであるストーム（Strom）のルアーのブランド名でもある。急潜行タイプの小魚サイズのルアーで、使いやすさに定評がある。傑作との呼び声も高い。

釣具の「ホッテントット」のアルファベット表記は「Hot 'N Tot」である。「Hot 'N Tot」は、「Hot and Tot」の省略形である。「hot」は「カッコいい」とか「アツい」といった意味であり、「tot」には「チビ」「ぼうず」などの意味がある。つまり、「hot’n tot」は、「最高にイカした小型ルアー」といった意味合いの名称といえる。

釣具の「ホッテントット（Hot 'N Tot）」は、コイコイ人を指す「ホッテントット（Hottentot）」とは特に関係ない。カタカナで書くと表記が一致してしまうだけである。ただし「Hot 'N Tot」という名称が「Hottentot」の語呂を意識して命名された可能性はある。

ホッテントットエプロン－スケッチ（映画）とは

「ホッテントットエプロン－スケッチ」は、2006年に公開された日本の映画である。主人公・里香は、身体に痣（あざ）を持つ少女である。里香は、ねずみ色のフードを被った男に導かれるまま、幻想的な世界へと迷い込む。

同作品は登場人物にセリフがなく、映像と音楽によって幻想的な美が表現されている。

（2023年3月3日更新）