HLA型判定・交差適合試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 03:11 UTC 版)
「補体依存性細胞傷害」の記事における「HLA型判定・交差適合試験」の解説
CDC検査は、臓器や骨髄の移植に適したドナー、すなわちMHCであるHLAの表現型が一致するドナーを見つけるために行われる。まず、患者とドナーのHLA表現型を決定するために、HLA型判定が行われる。適合する可能性のあるペアが見つかると、患者が移植片拒絶反応を引き起こす可能性のあるドナー特異的な抗HLA抗体を産生する事を排除する為に、交差適合試験が行われる。 CDC方式のHLA型(血清型)では、特徴付けられた同種間ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体から成る抗HLA抗体のバッチを使用する。これらの抗体は、患者またはドナーのリンパ球および補体源と1つずつインキュベートされる。死細胞の量(つまり陽性結果)は、死細胞または生細胞の染色によって測定される。最近では、CDC型判定に代わって、PCRによってHLA分子のヌクレオチド配列を特定する分子型判定が行われている。 CDC法は通常、交差適合試験に用いられる。基本的には、患者の血清をドナーのリンパ球とインキュベートし、ウサギの補体を加えた後に2回目のインキュベートを行う。死細胞の存在(陽性)は、ドナーがこの患者に適していないことを意味する。検査感度を上げる為には、最小培養時間の延長、抗ヒトグロブリン(英語版)(AHG)の添加、補体添加前の未結合抗体の除去、T細胞とB細胞のサブセットの分離などの改良が可能である。CDC交差適合試験以外にも、より感度が高く、補体非活性化抗体も検出できるフローサイトメトリー交差適合試験もある。
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