HIV構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/08 23:19 UTC 版)
「ヒト免疫不全ウイルス」を参照 HIVはレトロウイルス科に属している。様々な発症様式があるにも関わらず、すべてのレトロウイルスは類似した構造、ゲノム構成、複製様式をとる。レトロウイルスは宿主の細胞膜からなる膜(以下、エンベロープ)を有し、感染の際に細胞レセプターと結合する外被糖蛋白質SU(結合蛋白質、gp120とも呼ばれる。以下、外被糖蛋白質gp120)と、それに連結した貫通型蛋白質TM(融合蛋白質、gp41とも呼ばれる。以下、外被糖蛋白質gp41)(en)からなる突起を持つ。ウイルス粒子(ビリオン)は主要カプシド蛋白質CA(P24とも呼ばれる)を含んだ正20面体の核を有する。カプシドとエンベロープの間には、二本鎖DNAプロウイルスの核内へ侵入する為、又はウイルスの集合に必要とされる外マトリクス蛋白質 MA(P17とも呼ばれる)が存在する。カプシド内には、同一なプラス鎖1本鎖RNA(リボ核酸)ゲノムが2つ存在する。RNAは塩基性蛋白質NC(核蛋白質、P7とも呼ばれる)と共にヌクレオカプシドを構成している。HIV RNAから生成される糖蛋白質はgp160(以下外被糖蛋白質gp160)と呼ばれ、合成によりHIVウイルスのエンベロープ内(上)の2つの蛋白質である外被糖蛋白質SU(gp120)と貫通型蛋白質TM(gp41)を生成する。また、逆転写酵素やインテグラーゼ、プロテアーゼといった酵素がある。宿主細胞のtRNAはそれぞれのウイルスRNAに水素結合しており、これが逆転写の機能となる。
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