HIV陽性者・AIDS発症者に対するスティグマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 18:56 UTC 版)
「社会的スティグマ」の記事における「HIV陽性者・AIDS発症者に対するスティグマ」の解説
「ゲイ関連免疫不全」も参照 HIV陽性者やAIDS発症者は社会的スティグマによって、様々な形の差別や偏見、暴力に晒されている。現在では早期に抗レトロウイルス薬治療を受ける事により、感染者は非感染者とほぼ同じ平均寿命を持つと言われている。また治療によりウイルス量が検出限界以下になる事で、コンドームを使わない性交でもHIVの感染はしないとされている。この様なHIV/AIDS治療の進歩の反面、スティグマによる差別や社会的な排除は根強く続いている。2017年には日本の病院が不当にHIV感染者の採用内定取消を行った事例もある。2020年にはHIV陽性を理由に患者の診療を拒否した歯科クリニックに対して、「診療の拒絶は正当な理由がない」として賠償命令を命じる判決が出た。この様なスティグマを科される事を恐れて、HIV検査を受けなかったり、抗ウイルス治療を受けないケースもあり、スティグマによるHIV/AIDSの深刻化やさらなる感染の拡大も指摘されている。 また、HIVの主な感染経路は異性間性交渉であるのだが、今でも一部ではHIV/AIDSを同性愛や特定の生活様式と関連して認識される事がある。その事からHIV/AIDSに伴うスティグマは、実状に関わらず、同性愛や静注薬物使用者に対するスティグマが複層して科される事がある。 HIV/AIDSに伴う社会的なスティグマを解消するための取り組みとして、世界エイズデーなどがある。
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