Embarcadero Prism
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「Delphi」の記事における「Embarcadero Prism」の解説
Embarcadero Prism(エンバカデロ プリズム)は、かつてエンバカデロ・テクノロジーズが.NET向けの新たなIDEとして販売していた製品である。以前はDelphi Prismと呼ばれていたが、XE2より名称からDelphiが外れEmbarcadero Prismとなった。 DelphiはPrism登場以前から、バージョン8以降において、Delphiの.NET開発用の環境 (Delphi for .NET) はWin32版のVCLと互換性を持つフレームワークVCL.NETと、マイクロソフトのフレームワークWindows Formsの両方をサポートしていた。しかし、Delphi 2007ではWindows Formsのサポートが打ち切られることとなった。 Delphi 2009よりエンバカデロ・テクノロジーズは方針転換を行い、それまでのDelphi for .NET (Delphi.NET) を置き換える決定を下した。こうして生まれたのがPrismである。誕生当初はDelphiの名を冠してはいたものの、実際はRem Objectsの言語コンパイラOxygene (以前はChromeと呼ばれていた) とマイクロソフトのIDEを使用する全く新しい製品であった。PrismではそれまでのVCL.NETはサポートされず、フレームワークのサポートはWindows Formsのみとなっていた。 Delphi for Win32 (Delphi Win32) とは異なり、Prismは更新が頻繁に行われた。単体製品版には初年度分の年間メンテナンス & サポートが付属しており、翌年度以降も契約更新が可能で、この契約期間中であればいつでも最新版を入手することができた。このため、バージョンアップ版の設定がなかった。また、一度契約が切れてしまうと新規での製品購入が必要であった。さらにRAD Studio版には初年度分の年間メンテナンス & サポートも付属していないため、購入年度から加入していないとメンテナンスリリースを入手できないので注意が必要であった。 Embarcadero Prism は XE3 (XE3.2) が最終バージョンとなり、RAD Studio XE4 以降に含まれず、スタンドアロン製品としても提供されなくなった。サポートとメンテナンスのアップデートも2013年8月で終了している。エンバカデロ・テクノロジーズは、今後のPrismの最新版はRem Objectsから購入するようにアナウンスしている。なおRem ObjectsはPrismの名称を用いず、Oxygeneとする方針を打ち出している。
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