EU農業担当委員時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 14:25 UTC 版)
「ダチアン・チョロシュ」の記事における「EU農業担当委員時代」の解説
2009年10月、第二次バローゾ委員会において農業担当委員の役職を確保することを望むエミール・ボック政権は、チョロシュをルーマニアの欧州委員に指名した。この提案は、野党のリベラル勢力や社会民主党から、崩壊の瀬戸際にある政権の最後のあがきとして非難されただけでなく、社会民主主義勢力がその役職を占めるべきとする欧州社会党からも批判された。実際、ボック内閣はチョロシュを指名した翌日に、不信任決議案が可決されたことで崩壊した。 11月末、バローゾはチョロシュを農業担当委員に指名した。バローゾはチョロシュについて、提案された候補者のなかで「最も有能な」人物であると述べ、チョロシュの農業・農村開発に関する「近代的なビジョン」を称賛した。イギリスの雑誌「ファーマーズ・ウィークリー」は、ルーマニアがEUの資金を不適切な形で管理していたことを挙げて、この指名を「物議をかもす選択」としたが、チョロシュの「広範な農業における経験」は認めた。イングランド・ウェールズ全国農業組合とスコットランド全国農業組合も、この指名を歓迎した。イタリアのルカ・ツァイア農務相とフランスのニコラ・サルコジ大統領も同様に、チョロシュに祝辞を述べた。ドイツ通信社とイギリスの新聞「インデペンデント」はともに、資金の不適切処理問題との関連でこの指名を批判したが、フランスの日刊紙「ウェスト=フランス」は、イギリスが憤慨しているのは、チョロシュとフランスとの強い結びつきを考慮すると、彼は2人目のフランスの欧州委員も同然であると認識しているからだと主張した。 2010年2月に欧州議会の承認を受けたチョロシュは、自らの優先課題に着手した。それには食糧安全保障確保のための「繁栄した農業部門」の維持、環境保全と田園の保護、地球温暖化対策の支援や農家の「公正な生活水準」の維持などが挙げられる。この目標を達成するため、チョロシュは共通農業政策を状況に応じて変更し、再構成し続けることを約束した。 2015年7月には、バローゾの後任のジャン=クロード・ユンケル委員長から、国際食糧安全保障担当の特別顧問に任命された。
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