カンピロバクター
英語:Campylobacter
病原菌の一種で、ねじれた棒のような形をしている桿菌の総称。人に感染して食中毒の原因となる。特に、「カンピロバクター・ジェジュニ」と呼ばれる種が食中毒の原因菌として知られている。
カンピロバクターは、当初、家畜の流産を引き起こす病原体として知られていた。後に、人に感染して食中毒を引き起こすことが分かり、人畜共通感染症(ズーノーシス)の病原体として知られるようになった。
カンピロバクターは牛、豚、鶏など一般的な家畜が腸管内に保有しており、主に家畜の糞便を介して感染する。数日間の潜伏期間を経て発症し、下痢や発熱をはじめとする複数の症状を引き起こす。また、ギラン・バレー症候群と呼ばれる難病を併発する可能性もあると言われている。
2011年4月に北陸の焼肉チェーン店で「腸管出血性大腸菌O-111」による食中毒が発生し、5月6日までに4名が死亡する事態となっているが、4月中に兵庫県の飲食店でも食中毒騒ぎがあり、罹患者からカンピロバクターの菌が検出されたことが、5月5日に発表されている。5月22日には群馬県で女子高校生ら8名が、6月8日には三重県で鶏刺し(鶏肉の刺し身)を食べた学生30余名が、食中毒に罹り、カンピロバクター菌が検出されている。
関連サイト:
カンピロバクター食中毒予防について(Q&A) - 厚生労働省 食品安全情報
カンピロバクター
(Campylobacter から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/25 03:21 UTC 版)
カンピロバクター(Campylobacter)は、グラム陰性でらせん状に湾曲した形態を示す細菌の一属の総称である。一般的には1982年に食中毒菌として指定された Campylobacter jejuni と Campylobacter coli を指すなどカンピロバクター症の原因菌として呼ばれることが多い。
- ^ a b c カンピロバクター感染症 モダンメディア 51巻3号 2005
- ^ Campylobacter 属の分類 国立感染症研究所 感染症情報センター
- ^ カンピロバクター腸炎 The Topic of This Month Vol.20 No.5(No.231) 国立感染症研究所 感染症情報センター
- ^ キロノン剤に対する耐性株 1997年カンピロバクター血清型別レファレンスグループ
- 1 カンピロバクターとは
- 2 カンピロバクターの概要
- 3 外部リンク
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