B細胞と抗体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:34 UTC 版)
1個のB細胞は表面上の抗体が特定の外来抗原に結合すると病原体を認識することになる。この抗原/抗体複合体はB細胞に取り込まれタンパク質分解プロセスによってペプチドにされる。B細胞は次にこれら抗原ペプチドを特異的なMHCクラスII分子上に提示する。MHCと抗原の複合体はその抗原と特異的に結合するヘルパーT細胞を引き寄せ、そのヘルパーT細胞がB細胞を活性化するリンフォカインを放出する。B細胞が活性化されて増殖のための分裂を始めるとその子孫(形質細胞)はこの抗原を認識する特異的な抗体コピーを何百万分子も生産、分泌する。 これらの抗体は血管の血漿やリンパ管に入って循環する。抗体の実体は免疫グロブリンとよばれるタンパク質で、抗原を発現している細菌などの病原体に特異的に結合し、補体系の活性化あるいは食細胞による取り込みと破壊が起きるようマークを付ける。これをオプソニン化という。抗体は侵入病原体に対し、細菌の毒素に結合したりウイルスや細菌が細胞に感染する際に利用する受容体に妨害作用を及ぼして、直接中和することもできる。
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