B細胞エピトープマッピング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 19:07 UTC 版)
「エピトープ」の記事における「B細胞エピトープマッピング」の解説
エピトープマッピングには大きく分けて、構造研究と機能研究の2つの方法がある。エピトープを構造的にマッピングする方法としては、X線結晶構造解析、核磁気共鳴、電子顕微鏡などがある。Ag-Ab複合体のX線結晶構造解析は、エピトープを構造的にマッピングする正確な方法と考えられている。核磁気共鳴を利用して、Ag-Ab複合体に関するデータを利用してエピトープをマッピングすることができる。この方法は結晶化を必要としないが、小さなペプチドやタンパク質にしか使えない。電子顕微鏡は、ウイルス粒子のような大きな抗原のエピトープを局在化させることができる低解像度の方法である。 エピトープを機能的にマッピングする方法は、ウエスタンブロット、ドットブロット、および/またはELISAなどの結合アッセイを用いて、抗体の結合を決定することがよくある。競合法では、2つのモノクローナル抗体(mAB)が同時に抗原に結合できるかどうか、あるいは同じ部位に結合するために互いに競合するかどうかを調べることを目的としている。もう一つの手法は、構造的に複雑なタンパク質上の配座エピトープを迅速にマッピングするために開発されたエピトープ・マッピング戦略であるハイスループット突然変異誘発法(英語版)である。突然変異誘発法では、エピトープをマッピングするために、個々の残基にランダム/部位特異的な指向の変異を加える。B細胞エピトープマッピングは、抗体療法、ペプチドベースのワクチン、および免疫診断ツールの開発に利用できる。
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