Alpha 21066
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「Alpha 21064」の記事における「Alpha 21066」の解説
Alpha 21066(コード名 LCA4、Low Cost Alpha)は当初 DECchip 21066 と呼ばれ、Alpha 21064 の低価格版として1993年9月10日に発表され、1994年初めごろから量産出荷された。当初166MHz版で5,000個注文時の単価が385ドルだった。組み込みシステム向けの100MHz版も存在した。サンプル出荷は1994年後半に始まり、1995年第3四半期から量産出荷を開始した。Microprocessor Report 誌によれば、21066はPCIコントローラを内蔵した世界初のマイクロプロセッサだった。 主に Windows NT の動作するパーソナルコンピュータをターゲットとしていた。DECはデスクトップPCの Multia、OEM用マザーボード AXPpci 33、ワンボードマイコン AXPvme で採用している。DEC以外では、Aspen Systems のワークステーション Alpine、Carrera Computers のワークステーション Pantera I、NekoTech の PCである Mach 1-166、Parsysのスーパーコンピュータ TransAlpha TA9000 シリーズといった採用例がある。 プロセスを縮小させたため、組み込みシステムのコスト低減を図った機能を追加することができた。二次キャッシュとECCをサポートしたメモリコントローラ、8MBのVRAMに対応した限定的なグラフィックス・アクセラレータ機能、PCIコントローラ、外部から33MHzのクロック供給を受けて内部クロック周波数を発生する位相同期回路 (PLL) クロックジェネレータといった機能を内蔵している。 メモリコントローラは、64KBから2MBまでの二次キャッシュと2MBから512MBまでのメモリをサポートする。ECCは1ビット、2ビット、4ビットの誤りを検出し、1ビットの誤りを訂正できる。コスト低減のため、システムバスを64ビットに限定し、ピン数とパッケージサイズの縮小につながっている。バス幅縮小により帯域幅も低くなっており、性能も20%ほど低下しているが、許容範囲とされていた。 総トランジスタ数は175万個で、寸法は 17.0mm × 12.3mm、面積は 209.1 mm2 である。CMOS-4S プロセスで製造され、0.675μmルールで3層配線である。パッケージは287ピンPGAで、57.404mm × 57.404 mm である。
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