AMSR2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 05:11 UTC 版)
「地球環境変動観測ミッション」の記事における「AMSR2」の解説
高性能マイクロ波放射計2型(AMSR2, Advanced Microwave Scanning Radiometer 2)は、みどりIIに搭載されたAMSR(口径2.0m)およびアメリカの衛星Aquaに搭載されたAMSR-E(口径1.6m)の改良型である。軌道上で口径2.0mの大型反射鏡(オフセットパラボラ)を展開し、これを1.5秒で1回転させる(40 rpm)ことで、地上を1450kmの円弧状にスキャンして測定していく(コニカル走査方式)。AMSRやAMSR-Eより信頼性は向上し、寿命も3年から5年に伸ばされている。技術的な変更点は少ないものの、較正精度を向上させることによって測定誤差を低減している。 マイクロ波の測定チャンネルとして、7.3 GHz帯と89.0 GHz帯が新設されている。7.3 GHz帯は6.925 GHz帯のチャンネルの冗長用および補正用として、89.0 GHz帯は降水量と海氷密接度の測定用として用いられる。対して、AMSRにはあった50.3 GHz帯および52.8GHz帯のチャンネルが削られている。これらは気温の情報を得るために用いられていた。89.0 GHz帯はAMSR-Eでも用意されていたが、部品故障により観測精度が低下していた。 AMSRシリーズは、2008年7月時点で同等の性能を持っているセンサは他には無く、世界最高性能を持つマイクロ波センサである。 AMSR2 観測周波数周波数(GHz)6.925/7.310.6518.723.836.589.0備考バンド幅(GHz)0.35 0.1 0.2 0.4 1 3 空間分解能(km x km)35x62 24x42 14x22 15x26 7x12 3x5 サンプリング間隔(km)10 10 10 10 10 5 積算水蒸気量 ○ ◎ ○ 積算雲水量 ○ ○ ◎ 降水量 ○ ◎ ○ ○ ◎ 海上水温◎ ○ ○ ○ 海上風速○ ○ ○ ◎ 海氷密接度○ ◎ ○ ◎ ◎ 89 GHzは雲の無い状態で使用 積雪量 ○ ◎ ○ ◎ ○ 土壌水分量◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ※ ◎は、その物理量の観測に最重要の周波数帯を示す。 ※ 偏波はどのチャンネルもV(垂直)とH(水平)。 ※ 量子化ビット数は12 bit, ダイナミックレンジは2.7 K - 340 K。
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