ABISMOの開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/30 15:54 UTC 版)
かいこう7000IIは当時唯一の7,000mに到達可能なROVではあったものの、11,000mを超える地球最深部へは到達できない機体であった。そのため、2005年4月にJAMSTECでは、新たな11,000m級のROVの開発を開始した。計画は深淵をスペイン語とポルトガル語に訳したABISMO (Automatic Bottom Inspection and Sampling Mobile)と呼ばれた。 かいこうと同様に、ABISMOは主要な4部品で構成される: 電子機器 RV支援船かいれいに搭載 発射装置 (試料採取装置) 機体 (土砂探査) 採取装置 (重力式またはスミス マシン型採取装置) 採取機や小型のROV自体とは異なり、システムの仕様はかいこうと同じだった。発射装置から採取機を備えたROVを発射して回収した。 発射装置の下部はROVを収容するステンレス鋼製構造体である。耐圧殻には電子機器が格納され、上部には巻き上げ機、2次ケーブルドラムと2機の変圧器を備える。試料採取装置には重力コア採取機とボトムグラブ採取機を含む。同様にドッキング装置と音響測位装置を発射装置の下部に備える。機体は発射装置の下部にドッキングシステムによって懸架される。システムが外れた時ケーブルドラムは2次ケーブルを供給して機体は降下して音響測位装置で位置を測定する。発射機の位置は支援船のかいれいによって計測される。発射装置は同様に方向を変えられる高精細度ビデオ(HDTV)カメラを備える。 ABISMOの初期の海洋試験は2007年に伊豆小笠原海溝で実施され、機体は計画された水深9,760mへの到達し、海底から土砂の試料を採取することに成功した。 2008年6月には3回潜水して最大潜航深度10,258mを達成した。
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