21世紀のインターセクショナル・フェミニズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 19:39 UTC 版)
「インターセクショナリティ」の記事における「21世紀のインターセクショナル・フェミニズム」の解説
マリー=クレア・ベローは様々な民族のフェミニストの間での協力のための「戦略的インターセクショナリティ」を提唱した:51。自身の出身地で、カナダのフランス語圏でもあるケベック州と主に英語圏であるその他の州を比較し、民族や文化の違う集団では独自のアイデンティティを持ったフェミニズムが生まれるとし、それは地方ごとに無限に細分化されていくことを示したとした。ベローによると戦略的インターセクショナリティは、文化民族的な違いは重要でないとする普遍主義的な考えを否定し、また文化民族的な違いがその集団に固定的に属するという本質主義的な考えも否定する。代わりに、集団間におけるフェミニズムの違いは社会文化的な背景によって生まれ、その実践は普遍的でも本質的でもなく戦略的であると主張する。戦略的インターセクショナリティを用いることで、様々な形態の協力を可能とし、例えば旧宗主国のような支配的な集団と旧植民地のように周縁化された集団のように、権力による差がある集団の間での協力が可能だと主張した:54。 同様に、ブルシャリ・パティルをはじめとするインターセクショナル理論の研究者は、人種や文化的なヒエラルキーに越境的な観点を含む必要性を強く指摘する。パティルは国家がアイデンティティに与える影響について、「国境をまたいだ地域間の権力関係を無視し続け、国家とその発展の経緯で起こる越境的なプロセスを問題視しなければ、私たちの分析は空間的にも時間的にも植民地近代主義に縛られたままとなる」と語った。非西洋社会におけるインターセクショナリティの展開は後述を参照。
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