2013年から:『それでも夜は明ける』での絶賛以降
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「ニコラス・ブリテル」の記事における「2013年から:『それでも夜は明ける』での絶賛以降」の解説
ブリテルの音楽が特に注目されるようになったのは、スティーヴ・マックイーン監督が手掛けてアカデミー作品賞に輝いた『それでも夜は明ける』(2013年)であり、この作品で彼は、賛美歌・仕事歌などバイオリン演奏・ダンスに合わせて用いられた劇中歌を、時代背景に合わせて作編曲した(サウンドトラック自体はハンス・ジマーが担当した)。この作品のバイオリンシーンは、ブリテルの盟友でもあるティム・フェインが演奏を担当した。『ビルボード』誌では、ブリテルを「『それでも夜は明ける』の音楽における隠された兵器」("...the secret weapon in the music of 12 Years a Slave") と評した。ブリテルが作曲した「マイ・ロード・サンシャイン」"My Lord Sunshine" は、オリジナル曲だったことからアカデミー歌曲賞の資格を満たすことになった。『ロサンゼルス・タイムズ』紙では「マイ・ロード・サンシャイン」について、「仕事歌、賛美歌、悲しい哀歌、共同声明——『マイ・ロード・サンシャイン』はこれらを引っくるめたもの、それ以上だ。[中略] ブリテルが作り上げたのは決してたやすい業績ではなく、あの時代を感じ取って、奴隷生活における日々の恐怖と宗教的心象を器用に編み上げた賛美歌なのだ」と評した。ブリテルはこの映画のために「ロール、ジョーダン、ロール(英語版)」"Roll Jordan Roll" を再解釈したことでも知られている。ブリテルの作編曲は広く批評的成功を収め、『ウォール・ストリート・ジャーナル』で特集記事が組まれるなどした。 ブリテルは映画製作者として、デイミアン・チャゼルの短編映画 "Whiplash" を手掛けたが、この作品は2013年サンダンス映画祭(英語版)で最優秀米国フィクション短編映画部門・審査員大賞 (the Jury Award for Best US Fiction Short) を獲得した。作品は翌2014年に同じくチャゼル監督で長編映画『セッション』 "Whiplash" としてリメイクされることになり、マイルズ・テラーとJ・K・シモンズが主演した長編映画版でも、引き続き共同プロデューサーとして名を連ねた。長編映画版もサンダンス映画祭で成功を収め、2014年(英語版)の審査員大賞と観客賞を獲得したほか、第87回アカデミー賞では作品賞を含む5部門にノミネート、また助演男優賞・録音賞・編集賞の3部門を獲得した。この映画のサウンドトラックで、ブリテルは "Reaction" の作曲とプロデュース、"When I Wake" のプロデュース、"No Two Words" の演奏とプロデュースを手掛けている。 2015年にはジャック・ペティボーン・リッコボーノ監督、テレンス・マリック提供のドキュメンタリー『ザ・セヴンス・ファイア(英語版)』で音楽を手掛け、作品はベルリン国際映画祭で批評家に絶賛された。同年には、ナタリー・ポートマンの長編映画監督デビュー作で、2015年カンヌ国際映画祭で上映された『ア・テイル・オブ・ラヴ・アンド・ダークネス(英語版)』(原題)でも音楽を手掛けた。Deadline.comでは彼の映画音楽について、「魅惑的」("riveting") と評された。この年には、第88回アカデミー賞脚色賞を獲得したアダム・マッケイ監督作品『マネー・ショート 華麗なる大逆転』の音楽を担当したほか、同作サウンドトラックのプロデュースも担当している。 2016年には、ゲイリー・ロス監督で南北戦争時代を描いた歴史映画『ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男』の音楽を手掛け、ブリテルがプロデュースした同作のサウンドトラックは、2016年6月24日にソニー・マスターワークス (Sony Masterworks) から発売された。2016年にはアダム・レオン監督の『浮き草たち(英語版)』でも映画音楽を担当し、この作品の国際配給権は、同年のトロント国際映画祭でNetflixが獲得した。
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