2010年代:普及
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エモラッパーのXXXTentacion (左) とJuice Wrld (右) がこのジャンルの第一人者であった。 XXXテンタシオン、リル・ピープ、リル・ウージー・ヴァート、スウェーデンのヤング・リーンのようなラッパーがインターネットを皮切りに人気を博すにつれて、エモ・ラップというジャンルが立ち上がってきた。この動きの中で活動していたアーティストは音楽配信サイトであるSoundCloudにとどまっていることが多く、「サウンドクラウド・ラップ」と呼ばれる動きに大きな影響を与えた。2012年にエルモ・ケネディ・オコナーはステージネームをTh@ Kidからボーンズへと改名したが、さまざまな音楽をサンプリングする独特なスタイルで「アンダーグラウンドのラップ王」「エモラップの先駆者」と呼ばれている。2017年に発表されたリル・ウージー・ヴァートの"XO Tour Llif3"はビルボードのホット100で7位というヒットとなったが、自殺や感情の破綻を描いた歌詞ゆえ、エモ・ヒップホップだと言われた。2017年8月にXXXテンタシオンがデビューアルバムである『17』をリリースしたが、そのリードシングルである"Jocelyn Flores"は友人の自殺に関するものであった。リル・ピープはエモ・ヒップホップはエモ・リヴァイヴァルの一部ではなくそれ自体として確立したサブジャンルだと主張しているが、一方でアーティスト本人は2017年1月に「エモの未来」と呼ばれ、『ガーディアン』ではエモ・リヴァイヴァルの先駆者として前面に押し出されていた。この他にエモ・ラップと呼ばれることのある代表的なミュージシャンとしては、ジュース・ワールドなどがいる。 2017年11月にリル・ピープがフェンタニルの過剰摂取で死亡した。そのすぐ後、リル・ピープのデビュースタジオアルバムであるCome Over When You're Sober, Pt. 1とリードシングルである"Awful Things"がビルボードチャートにランクインした。リル・ピープはこのラップのサブジャンル内では人気があり、ヒップホップの主流トレンドも変化の最中であったため、 その死によりエモ・ラップは大きな注目を浴びることとなった。 2018年6月にXXXテンタシオンがが殺害され、アルバム『17』と『?』はリル・ピープ同様、死後にチャートインすることとなり、ヒット曲となった"SAD!"がBillboard Hot 100で1位となった。2019年12月8日にはジュース・ワールドが死去した。
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