2004年のインディカー・シリーズとは? わかりやすく解説

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2004年のインディカー・シリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 21:51 UTC 版)

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2004年のインディカー・シリーズ
前年: 2003 翌年: 2005

2004年のインディカー・シリーズは、インディカー・シリーズの9年目のシーズンである。

シーズン概要

すべてのレースがオーバルコースで開催された(現在のところ)最後のシーズンである。前年はトヨタエンジンのドライバーが優勢だったが、一転してこの年はホンダエンジンのドライバーが優勢となった。トヨタエンジン勢はチーム・ペンスキーの2人のドライバー(エリオ・カストロネベス&サム・ホーニッシュJr.)が1勝ずつをあげるのが精一杯で、前年チャンピオンのスコット・ディクソンを擁するチップ・ガナッシ・レーシングシボレーエンジン勢は1勝もあげることができなかった。

一方で、それほど注目もされていなかったドライバーが大躍進を果たした。ひとりはバディ・ライスである。この年はシーズン前のテストで大クラッシュに遭いシーズンを欠場したケニー・ブラックに代わっての暫定起用だったが、インディカー・シリーズ初勝利をインディ500で飾ると、計3勝をあげ、堂々のランキング3位に食い込むのだった。また、フル参戦初年度となったダン・ウェルドンもインディカー・シリーズ初勝利をもてぎであげると、同じく計3勝をあげ、ランキング2位となった。圧倒的な安定感(開幕戦の9位以外はすべて5位以内で完走)でチャンピオンを獲得したトニー・カナーンには及ばなかったものの、シリーズを大いに賑わせた。

上記の通り、ウェルドンの勝利によって、ホンダはようやく自らが所有するもてぎでの1勝をあげることができた。また、鈴木亜久里が共同オーナーとして参戦したスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングはロジャー安川(この年はレイホール・レターマン・レーシングからもてぎ・インディ500のスポット参戦のみ)に代わって松浦孝亮を起用した。最上位はケンタッキーでの4位にとどまるが、トップチームからデビューしたルーキーがいなかったこともあり、インディ500・シーズン双方のルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。一方共同オーナーのもう一人であるエイドリアン・フェルナンデスチャンプカーの開幕前発表会に参加しながらも参戦予定を一転し、第2戦からインディカー・シリーズに参戦、シーズン後半に3勝をあげた。シーズン前から参戦を計画していれば、と思わせる成績をあげたが、地元メキシコでの露出機会がなくなったことでスポンサーを失い、インディカー・シリーズのレギュラー参戦はこの年のみとなった。

その他のトピックとしては、

  • IRL黎明期を支えたバディ・ラジアーはこの年はインディ500の参戦のみとなったほか、グレッグ・レイ、ロビー・ブールやスポンサーの関係でシーズン途中からの参戦となったアル・アンサーJr.もこの年限りでレギュラー参戦からは引退または撤退となった
  • 高木虎之介もこの年はトヨタエンジンの不調もあり苦戦。開幕戦ホームステッド/マイアミで4位になったのが最高。この年限りで日本へと戻ることになった。

2004年の開催スケジュールと結果

ゲートウェイがカレンダー落ちし、代わりにミルウォーキーが加わった。パイクスピークがシーズン中盤から終盤に移動している。

開催日 レース サーキット 開催地 ポールポジション ファステストラップ 最多ラップリード 優勝者
2月29日 Toyota Indy 300 ホームステッド=マイアミ・スピードウェイ フロリダ州ホームステッド バディ・ライス サム・ホーニッシュJr. エリオ・カストロネベス サム・ホーニッシュJr.
3月21日 Copper World Indy 200 フェニックス・インターナショナル・レースウェイ アリゾナ州フェニックス ダン・ウェルドン ダレン・マニング トニー・カナーン トニー・カナーン
4月17日 インディジャパン300 ツインリンクもてぎ 栃木県茂木町 ダン・ウェルドン ダン・ウェルドン ダン・ウェルドン ダン・ウェルドン
5月30日 88th Indianapolis 500 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ インディアナ州スピードウェイ バディ・ライス ヴィットール・メイラ バディ・ライス バディ・ライス
6月12日 Bombardier 500 テキサス・モーター・スピードウェイ テキサス州フォートワース ダリオ・フランキッティ ヴィットール・メイラ トニー・カナーン トニー・カナーン
6月28日 SunTrust Indy Challenge リッチモンド・インターナショナル・レースウェイ バージニア州リッチモンド エリオ・カストロネベス サム・ホーニッシュJr. ダリオ・フランキッティ ダン・ウェルドン
7月4日 Argent Mortgage 300 カンザス・スピードウェイ カンザス州カンザスシティ バディ・ライス トーマス・シェクター バディ・ライス バディ・ライス
7月17日 Firestone Indy 200 ナッシュビル・スーパースピードウェイ テネシー州レバノン バディ・ライス ヴィットール・メイラ ヴィットール・メイラ トニー・カナーン
7月25日 Menards A.J. Foyt 225 ミルウォーキー・マイル ウィスコンシン州ウェスト・アリス ヴィットール・メイラ ダリオ・フランキッティ ダリオ・フランキッティ ダリオ・フランキッティ
8月1日 Michigan Indy 400 ミシガン・インターナショナル・スピードウェイ ミシガン州ブルックリン トニー・カナーン ダレン・マニング トニー・カナーン バディ・ライス
8月15日 Belterra Casino Indy 300 ケンタッキー・スピードウェイ ケンタッキー州スパータ バディ・ライス ヴィットール・メイラ トニー・カナーン エイドリアン・フェルナンデス
8月22日 Honda Indy 225 パイクス・ピーク・インターナショナル・レースウェイ コロラド州ファウンテン トニー・カナーン ダン・ウェルドン ダリオ・フランキッティ ダリオ・フランキッティ
8月29日 Firestone Indy 225 ナザレス・スピードウェイ ペンシルベニア州ナザレス エリオ・カストロネベス サム・ホーニッシュJr. エリオ・カストロネベス ダン・ウェルドン
9月12日 Delphi Indy 300 シカゴランド・スピードウェイ イリノイ州ジョリエット エリオ・カストロネベス ヴィットール・メイラ エイドリアン・フェルナンデス エイドリアン・フェルナンデス
10月3日 Toyota Indy 400 カリフォルニア・スピードウェイ カルフォルニア州フォンタナ エリオ・カストロネベス ヴィットール・メイラ エリオ・カストロネベス エイドリアン・フェルナンデス
10月17日 Chevy 500 テキサス・モーター・スピードウェイ テキサス州フォートワース エリオ・カストロネベス ブライアン・ハータ エリオ・カストロネベス エリオ・カストロネベス

2004年の参戦チーム・ドライバー

チーム シャシー エンジン No. ドライバー スポンサー 備考
ターゲット チップ・ガナッシ・レーシング Gフォース トヨタ 1 スコット・ディクソン ターゲット
10 ダレン・マニング ターゲット 負傷のためカリフォルニアではスタートせず、テキサスを欠場
パンサー・レーシング ダラーラ シボレー 2 マーク・テイラー メナーズ/ジョンズ・マンビル
タウンゼント・ベル テイラーに代わってカンザス以降参戦
4 トーマス・シェクター ペンゾイル
マールボロ チーム・ペンスキー ダラーラ トヨタ 3 エリオ・カストロネベス マールボロ
6 サム・ホーニッシュJr. マールボロ
/ アグリ・フェルナンデス・レーシング Gフォース ホンダ 5 エイドリアン・フェルナンデス クエーカー・ステート/Telmex/Tecate 開幕戦ホームステッドを欠場
55 松浦孝亮 ARTA/パナソニック
アンドレッティ・グリーン・レーシング ダラーラ ホンダ 7 ブライアン・ハータ XM Satellite Radio
11 トニー・カナーン セブン-イレブン
26 ダン・ウェルドン クラインツールズ/ジム・ビーム
27 ダリオ・フランキッティ ArcaEx/アルパイン
ケリー・レーシング ダラーラ トヨタ 8 スコット・シャープ デルファイ・コーポレーション
39 サラ・フィッシャー Bryant Heating & Cooling インディ500のみ参戦
モー・ナン・レーシング ダラーラ トヨタ 12 高木虎之介 パイオニア
21 ジェフ・シモンズ パイオニア インディ500のみ参戦
アクセス・モータースポーツ Gフォース ホンダ 13 グレッグ・レイ Renovac
マーク・テイラー レイに代わってナッシュビル以降参戦
A.J.フォイト・エンタープライズ ダラーラ トヨタ 14 A.J.フォイト4世 コンセコ
Gフォース 41 ラリー・フォイト インディ500のみ参戦
レイホール・レターマン・レーシング Gフォース ホンダ 15 バディ・ライス Argent Mortgage/パイオニア
16 ロジャー安川 サミー もてぎとインディ500のみ参戦
17 ヴィットール・メイラ BEAシステムズ/Centrix 序盤2戦を欠場
PDMレーシング ダラーラ シボレー 18 ロビー・マギー バーガーキング インディ500のみ参戦
パトリック・レーシング ダラーラ シボレー 20 アル・アンサーJr. インディ500、テキサス、リッチモンドのみ参戦
ジェフ・シモンズ カンザスのみ参戦
ジャック・ラジアー ナッシュビルからシカゴランドまで参戦
トーマス・エンゲ カリフォルニアと最終戦テキサスのみ参戦
ドレイヤー&レインボールド・レーシング ダラーラ シボレー 24 ロビー・ブール Purex
フェリペ・ジアフォーネ Purex ブールに代わってインディ500以降参戦
ロス・レーシング ダラーラ トヨタ 25 マーティー・ロス インディ500のみ参戦
サム・シュミット・モータースポーツ Gフォース トヨタ 33 リッチー・ハーン ルーカス・オイル インディ500のみ参戦
ニューマン・ハース・レーシング Gフォース ホンダ 36 ブルーノ・ジュンケイラ PacifiCare/Secure Horizons インディ500のみ参戦
チーバー・レーシング ダラーラ シボレー 51 アレックス・バロン レッドブル
52 エド・カーペンター レッドブル
ロビー・ゴードン・モータースポーツ ダラーラ シボレー 70 ロビー・ゴードン Meijer/コカ・コーラ インディ500のみ参戦。ラジアーは雨で遅延の後ゴードンに代わって参戦。
ジャック・ラジアー Meijer/コカ・コーラ
ヘメルガーン・レーシング ダラーラ シボレー 91 バディ・ラジアー LifeFitness インディ500のみ参戦
カーブ/アガジャニアン/ベック・モータースポーツ ダラーラ シボレー 98 P.J.ジョーンズ Curb Records インディ500のみ参戦

ポイントランキング

優勝から10位までは順に50-40-35-32-30-28-26-24-22-20のポイントが与えられ、それ以下は18位までは1ポイントずつ減少し、18位から24位まではすべて12ポイント、25位以下はすべて10ポイントが与えられ、最多リードラップに3ポイントのボーナスポイントを総合しタイトルが争われた。

開幕戦の8位以外はすべてのレースで5位以内、さらにラップリードを達成したカナーンが安定した走りでチームメイトのウェルドンとの争いに圧勝した。

順位 ドライバー HMS
PHX
MOT
INDY
TXS
RIR
KAN
NSH
MIL
MIS
KTY
PIK
NAZ
CHI
FON
TXS
ポイント
1 トニー・カナーン 8 1* 2 2 1* 5 3 1 4 2* 5* 5 2 3 2 2 618
2 ダン・ウェルドン 3 3 1* 3 13 1 9 13 18 3 3 3 1 4 3 3 533
3 バディ・ライス 7 9 6 1* 15 6 1* 6 2 1 2 22 4 14 5 20 485
4 エリオ・カストロネベス 2* 6 3 9 12 3 7 3 12 10 12 6 5* 10 7* 1*1 446
5 エイドリアン・フェルナンデス 20 18 7 5 7 6 10 8 12 1 2 7 1* 1 5 445
6 ダリオ・フランキッティ 17 17 7 14 2 12* 4 20 1* 22 6 1* 3 20 6 15 409
7 サム・ホーニッシュJr. 1 15 19 26 4 11 8 2 3 4 14 18 11 6 4 17 387
8 ヴィットール・メイラ 17 6 6 2 2 12* 5 5 7 7 10 5 21 4 376
9 ブライアン・ハータ 13 7 14 4 19 4 5 18 9 6 9 9 8 2 17 16 362
10 スコット・ディクソン 18 2 5 8 14 8 12 8 DNS 7 13 20 9 7 8 6 355
11 ダレン・マニング 6 5 4 25 8 20 11 4 19 13 10 4 6 15 DNS 323
12 アレックス・バロン 16 4 12 12 3 22 10 17 7 11 11 10 12 12 18 14 310
13 スコット・シャープ 9 13 9 13 18 9 20 14 15 9 17 15 19 9 11 8 282
14 松浦孝亮 11 11 8 11 16 14 18 9 10 17 4 13 21 21 13 19 280
15 高木虎之介 4 8 10 19 10 19 21 11 20 20 20 19 17 13 14 12 263
16 エド・カーペンター 12 19 22 31 21 16 14 22 11 14 8 11 20 11 12 21 245
17 マーク・テイラー 19 12 16 30 17 18 7 14 21 19 14 22 17 10 7 232
18 A.J.フォイト4世 15 14 15 33 22 11 13 16 16 15 18 21 15 16 19 10 232
19 トーマス・シェクター 5 16 13 18 20 17 15 19 21 19 22 17 13 19 15 18 230
20 フェリペ・ジアフォーネ 15 9 10 16 15 13 16 16 16 16 8 20 11 214
21 タウンゼント・ベル 17 5 6 8 21 12 18 22 9 9 193
22 ジャック・ラジアー DNQ 21 17 18 15 8 14 18 104
23 グレッグ・レイ 14 10 20 27 7 15 Wth 99
24 ロビー・ブール 10 18 21 44
25 アル・アンサーJr. 17 11 21 44
26 ロジャー安川 11 10 39
27 トーマス・エンゲ 16 13 31
28 ブルーノ・ジュンケイラ 5 30
29 ジェフ・シモンズ 16 19 26
30 リッチー・ハーン 20 12
31 サラ・フィッシャー 21 12
32 ロビー・マギー 22 12
33 バディ・ラジアー 23 12
34 マーティー・ロス 24 12
35 P.J.ジョーンズ 28 10
36 ロビー・ゴードン 292 10
37 ラリー・フォイト 32 10
順位 ドライバー HMS
PHX
MOT
INDY
TXS
RIR
KAN
NSH
MIL
MIS
KTY
PIK
NAZ
CHI
FON
TXS
ポイント
結果
金色 優勝
銀色 2位
銅色 3位
4位・5位
水色 6位-10位
青灰色 完走
(11位以下)
リタイヤ
(Ret)
予選落ち
(DNQ)
茶色 撤退
(Wth)
失格
(DSQ)
スタートせず
(DNS)
空欄 欠場
(DNP)
エントリーせず
注釈など
太字 ポールポジション
斜字 ファステストラップ
* 最多リードラップ
(3ポイント)
ルーキーオブザイヤー
ルーキー
順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 DNS
ポイント 50 40 35 32 30 28 26 24 22 20 19 18 17 16 15 14 13 12 12 12 12 12 12 12 10 10 10 10 10 10 10 10 10 12
  • 同ポイントの場合は勝利数が多い方が上位となる。

1 エリオ・カストロネベスは最終戦テキサスでフルコースコーション後の再スタート時に危険走行をしたとして、15ポイント剥奪された。

2 インディ500ではロビー・ゴードンからジャック・ラジアーにレース途中のドライバー交代(インディ500では禁止されていない)が行われたが、ポイントはゴードンのみに与えられている。

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