2004年のインディカー・シリーズ
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| 前年: | 2003 | 翌年: | 2005 |
2004年のインディカー・シリーズは、インディカー・シリーズの9年目のシーズンである。
シーズン概要
すべてのレースがオーバルコースで開催された(現在のところ)最後のシーズンである。前年はトヨタエンジンのドライバーが優勢だったが、一転してこの年はホンダエンジンのドライバーが優勢となった。トヨタエンジン勢はチーム・ペンスキーの2人のドライバー(エリオ・カストロネベス&サム・ホーニッシュJr.)が1勝ずつをあげるのが精一杯で、前年チャンピオンのスコット・ディクソンを擁するチップ・ガナッシ・レーシングやシボレーエンジン勢は1勝もあげることができなかった。
一方で、それほど注目もされていなかったドライバーが大躍進を果たした。ひとりはバディ・ライスである。この年はシーズン前のテストで大クラッシュに遭いシーズンを欠場したケニー・ブラックに代わっての暫定起用だったが、インディカー・シリーズ初勝利をインディ500で飾ると、計3勝をあげ、堂々のランキング3位に食い込むのだった。また、フル参戦初年度となったダン・ウェルドンもインディカー・シリーズ初勝利をもてぎであげると、同じく計3勝をあげ、ランキング2位となった。圧倒的な安定感(開幕戦の9位以外はすべて5位以内で完走)でチャンピオンを獲得したトニー・カナーンには及ばなかったものの、シリーズを大いに賑わせた。
上記の通り、ウェルドンの勝利によって、ホンダはようやく自らが所有するもてぎでの1勝をあげることができた。また、鈴木亜久里が共同オーナーとして参戦したスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングはロジャー安川(この年はレイホール・レターマン・レーシングからもてぎ・インディ500のスポット参戦のみ)に代わって松浦孝亮を起用した。最上位はケンタッキーでの4位にとどまるが、トップチームからデビューしたルーキーがいなかったこともあり、インディ500・シーズン双方のルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。一方共同オーナーのもう一人であるエイドリアン・フェルナンデスはチャンプカーの開幕前発表会に参加しながらも参戦予定を一転し、第2戦からインディカー・シリーズに参戦、シーズン後半に3勝をあげた。シーズン前から参戦を計画していれば、と思わせる成績をあげたが、地元メキシコでの露出機会がなくなったことでスポンサーを失い、インディカー・シリーズのレギュラー参戦はこの年のみとなった。
その他のトピックとしては、
- IRL黎明期を支えたバディ・ラジアーはこの年はインディ500の参戦のみとなったほか、グレッグ・レイ、ロビー・ブールやスポンサーの関係でシーズン途中からの参戦となったアル・アンサーJr.もこの年限りでレギュラー参戦からは引退または撤退となった
- 高木虎之介もこの年はトヨタエンジンの不調もあり苦戦。開幕戦ホームステッド/マイアミで4位になったのが最高。この年限りで日本へと戻ることになった。
2004年の開催スケジュールと結果
ゲートウェイがカレンダー落ちし、代わりにミルウォーキーが加わった。パイクスピークがシーズン中盤から終盤に移動している。
2004年の参戦チーム・ドライバー
| チーム | シャシー | エンジン | No. | ドライバー | スポンサー | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Gフォース | トヨタ | 1 | ターゲット | |||
| 10 | ターゲット | 負傷のためカリフォルニアではスタートせず、テキサスを欠場 | ||||
| ダラーラ | シボレー | 2 | メナーズ/ジョンズ・マンビル | |||
| テイラーに代わってカンザス以降参戦 | ||||||
| 4 | ペンゾイル | |||||
| ダラーラ | トヨタ | 3 | マールボロ | |||
| 6 | マールボロ | |||||
| Gフォース | ホンダ | 5 | クエーカー・ステート/Telmex/Tecate | 開幕戦ホームステッドを欠場 | ||
| 55 | ARTA/パナソニック | |||||
| ダラーラ | ホンダ | 7 | XM Satellite Radio | |||
| 11 | セブン-イレブン | |||||
| 26 | クラインツールズ/ジム・ビーム | |||||
| 27 | ArcaEx/アルパイン | |||||
| ダラーラ | トヨタ | 8 | デルファイ・コーポレーション | |||
| 39 | Bryant Heating & Cooling | インディ500のみ参戦 | ||||
| ダラーラ | トヨタ | 12 | パイオニア | |||
| 21 | パイオニア | インディ500のみ参戦 | ||||
| Gフォース | ホンダ | 13 | Renovac | |||
| レイに代わってナッシュビル以降参戦 | ||||||
| ダラーラ | トヨタ | 14 | コンセコ | |||
| Gフォース | 41 | インディ500のみ参戦 | ||||
| Gフォース | ホンダ | 15 | Argent Mortgage/パイオニア | |||
| 16 | サミー | もてぎとインディ500のみ参戦 | ||||
| 17 | BEAシステムズ/Centrix | 序盤2戦を欠場 | ||||
| ダラーラ | シボレー | 18 | バーガーキング | インディ500のみ参戦 | ||
| ダラーラ | シボレー | 20 | インディ500、テキサス、リッチモンドのみ参戦 | |||
| カンザスのみ参戦 | ||||||
| ナッシュビルからシカゴランドまで参戦 | ||||||
| カリフォルニアと最終戦テキサスのみ参戦 | ||||||
| ダラーラ | シボレー | 24 | Purex | |||
| Purex | ブールに代わってインディ500以降参戦 | |||||
| ダラーラ | トヨタ | 25 | インディ500のみ参戦 | |||
| Gフォース | トヨタ | 33 | ルーカス・オイル | インディ500のみ参戦 | ||
| Gフォース | ホンダ | 36 | PacifiCare/Secure Horizons | インディ500のみ参戦 | ||
| ダラーラ | シボレー | 51 | レッドブル | |||
| 52 | レッドブル | |||||
| ダラーラ | シボレー | 70 | Meijer/コカ・コーラ | インディ500のみ参戦。ラジアーは雨で遅延の後ゴードンに代わって参戦。 | ||
| Meijer/コカ・コーラ | ||||||
| ダラーラ | シボレー | 91 | LifeFitness | インディ500のみ参戦 | ||
| ダラーラ | シボレー | 98 | Curb Records | インディ500のみ参戦 |
ポイントランキング
優勝から10位までは順に50-40-35-32-30-28-26-24-22-20のポイントが与えられ、それ以下は18位までは1ポイントずつ減少し、18位から24位まではすべて12ポイント、25位以下はすべて10ポイントが与えられ、最多リードラップに3ポイントのボーナスポイントを総合しタイトルが争われた。
開幕戦の8位以外はすべてのレースで5位以内、さらにラップリードを達成したカナーンが安定した走りでチームメイトのウェルドンとの争いに圧勝した。
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| 順位 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | DNS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ポイント | 50 | 40 | 35 | 32 | 30 | 28 | 26 | 24 | 22 | 20 | 19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 12 |
- 同ポイントの場合は勝利数が多い方が上位となる。
注
1 エリオ・カストロネベスは最終戦テキサスでフルコースコーション後の再スタート時に危険走行をしたとして、15ポイント剥奪された。
2 インディ500ではロビー・ゴードンからジャック・ラジアーにレース途中のドライバー交代(インディ500では禁止されていない)が行われたが、ポイントはゴードンのみに与えられている。
関連項目
- 2004年のトヨタ・アトランティック・チャンピオンシップ・シーズン
- 2004年のチャンプカー・シーズン
- 2004年のインフィニティ・プロ・シリーズ・シーズン
外部リンク
- 2004年のインディカー・シリーズのページへのリンク