2006年のインディカー・シリーズとは? わかりやすく解説

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2006年のインディカー・シリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 21:54 UTC 版)

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2006年のインディカー・シリーズ
前年: 2005 翌年: 2007

2006年のインディカー・シリーズは、インディカー・シリーズの11年目のシーズンである。

この年より、ホンダエンジンのワンメイクとなり、エンジンでの優劣が無くなった。その分、ドライバーの実力がより問われるものともなった。また、拡大の一途をたどっていたレース数もこの年は3戦のオーバルコースがカレンダー落ちし、14戦でのシーズンとなった。

エンジンがワンメイクとなったことでトップチームの実力が拮抗し、混戦のチャンピオンシップとなったが、チーム・ペンスキーに移籍後トヨタエンジンの劣勢状況からくすぶっていたサム・ホーニッシュJr.が前年チャンピオンでこの年チップ・ガナッシ・レーシングに移籍したダン・ウェルドン(同ポイントながら勝利数比較で上回る)やそのチームメイトスコット・ディクソン、自身のチームメイトエリオ・カストロネベスなどを振り切り、インディカー・シリーズ史上最多の3度目のチャンピオンを獲得した。

またこの年は、マイケル・アンドレッティの息子、マリオ・アンドレッティの孫であるマルコ・アンドレッティが19歳でインディカー・シリーズにデビュー、インディ500ではレース最終盤でこの年インディ500にスポット復帰した父マイケルを抜きトップに立つと、最終周最終コーナーまでトップを守ったが、最後の直線でホーニッシュJr.に抜かれ、2位(父マイケルも3位)に終わり、「アンドレッティ家のインディ500の不運(マリオの1勝以外は一家の誰かがトップを快走した年もことごとく優勝を逃す)」はこの年も払拭はならなかった。しかし、マルコはこの屈辱をインフィニオンで当時の最年少優勝をあげることで晴らした。

この年は開幕戦ホームステッド/マイアミで不幸な事故が起こった。この年レイホール・レターマン・レーシングに抜擢され初のフルシーズン参戦を果たすはずだったポール・ダナがフリー走行中にスピンを喫したエド・カーペンターを避けきれずクラッシュ、その衝撃によるダメージが大きく、結果事故死した。IRL3件目(レース期間中では2件目)の死亡事故となった。

その他のトピックとしては、

  • スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングからこの年も松浦孝亮が参戦したが、最高位はホームステッド/マイアミでの前年と同じ6位にとどまった
  • ロジャー安川はこの年はもてぎにも参戦ができず、インディ500は何とか予選最終週にプラヤ・デル・レーシングのシートを獲得したが、インディカー・シリーズフル参戦経験のないチームでは完走が精一杯であった
  • ダニカ・パトリックはこの年はナッシュビル・ミルウォーキーでの4位が最高。パノスシャシーに足を引っ張られるレースもあり、翌年からアンドレッティ・グリーン・レーシングに移籍を果たすことになる
  • この年のワトキンス・グレンではインディカー・シリーズ初の雨中のレースとなった。またこのレースでのスコット・ディクソンの勝利が前年のシャシー規定の変更後劣勢となっていたパノスシャシーの現在のところ最後の優勝となっている(チャンプカーのシャシー・エンジンで行われた2008年ロングビーチを除く)

2006年の開催スケジュールと結果

  • この年は上記の通りフェニックス・パイクスピーク・カリフォルニア(フォンタナ)がカレンダー落ち、14戦のシーズンとなった。また、ワトキンス・グレンはシーズン中盤に移動している。
Rd 開催日 レース サーキット 開催地 ポールポジション ファステストラップ 最多ラップリード 優勝者
1 3月26日 Homestead-Miami Indy 300 ホームステッド=マイアミ・スピードウェイ フロリダ州ホームステッド サム・ホーニッシュJr. スコット・ディクソン サム・ホーニッシュJr. ダン・ウェルドン
2 4月2日 Honda Grand Prix of St. Petersburg セントピーターズバーグ市街地コース フロリダ州セントピーターズバーグ ダリオ・フランキッティ トニー・カナーン エリオ・カストロネベス エリオ・カストロネベス
3 4月22日 インディジャパン300 ツインリンクもてぎ 栃木県茂木町 エリオ・カストロネベス スコット・ディクソン エリオ・カストロネベス エリオ・カストロネベス
4 5月28日 90th Indianapolis 500 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ インディアナ州スピードウェイ サム・ホーニッシュJr. スコット・ディクソン ダン・ウェルドン サム・ホーニッシュJr.
5 6月4日 Camping World Watkins Glen Grand Prix ワトキンズ・グレン・インターナショナル ニューヨーク州ワトキンズ・グレン エリオ・カストロネベス マルコ・アンドレッティ ダン・ウェルドン スコット・ディクソン
6 6月10日 Bombardier Learjet 500 テキサス・モーター・スピードウェイ テキサス州フォートワース サム・ホーニッシュJr. ダン・ウェルドン ダン・ウェルドン エリオ・カストロネベス
7 6月24日 SunTrust Indy Challenge リッチモンド・インターナショナル・レースウェイ バージニア州リッチモンド エリオ・カストロネベス エリオ・カストロネベス サム・ホーニッシュJr. サム・ホーニッシュJr.
8 7月2日 RoadRunner Turbo Indy 300 カンザス・スピードウェイ カンザス州カンザスシティ ダン・ウェルドン エリオ・カストロネベス サム・ホーニッシュJr. サム・ホーニッシュJr.
9 7月15日 Firestone Indy 200 ナッシュビル・スーパースピードウェイ テネシー州レバノン ダン・ウェルドン ダン・ウェルドン ダン・ウェルドン スコット・ディクソン
10 7月23日 ABC Supply Company A.J. Foyt 225 ミルウォーキー・マイル ウィスコンシン州ウェスト・アリス エリオ・カストロネベス トーマス・シェクター トニー・カナーン トニー・カナーン
11 7月30日 Firestone Indy 400 ミシガン・インターナショナル・スピードウェイ ミシガン州ブルックリン エリオ・カストロネベス 松浦孝亮 ヴィットール・メイラ エリオ・カストロネベス
12 8月13日 Kentucky Indy 300 ケンタッキー・スピードウェイ ケンタッキー州スパータ エリオ・カストロネベス ブライアン・ハータ ダン・ウェルドン サム・ホーニッシュJr.
13 8月27日 Peak Antifreeze & Motor Oil Indy Grand Prix of Sonoma County インフィニオン・レースウェイ カリフォルニア州ソノマ スコット・ディクソン トニー・カナーン スコット・ディクソン マルコ・アンドレッティ
14 9月10日 Peak Antifreeze & Motor Oil Indy 300 シカゴランド・スピードウェイ イリノイ州ジョリエット サム・ホーニッシュJr. サム・ホーニッシュJr. ダン・ウェルドン ダン・ウェルドン
  オーバル
  市街地/特設コース
  ロード

2006年の参戦チーム・ドライバー

チーム シャシー エンジン No. ドライバー スポンサー 備考
アンドレッティ・グリーン・レーシング ダラーラ ホンダ 1 マイケル・アンドレッティ ジム・ビーム/Vonage インディ500のみ参戦
7 ブライアン・ハータ XM Satellite Radio
11 トニー・カナーン 7-Eleven
26 マルコ・アンドレッティ NYSE Group
27 ダリオ・フランキッティ Klein Tools/ジム・ビーム/Canadian Club シカゴランド戦前に負傷
A.J.フォイト4世 Klein Tools/Canadian Club フランキッティに代わってシカゴランドに参戦
ヴィジョン・レーシング ダラーラ ホンダ 2 トーマス・シェクター
20 エド・カーペンター ホームステッドで負傷、セントピーターズバーグを欠場
ロベルト・モレノ カーペンティアに代わってセントピーターズバーグに参戦
90 タウンゼント・ベル Rock & Republic インディ500のみ参戦
マールボロチーム・ペンスキー ダラーラ ホンダ 3 エリオ・カストロネベス マールボロ/モービル1
6 サム・ホーニッシュJr. マールボロ/モービル1
パンサー・レーシング ダラーラ ホンダ 4 ヴィットール・メイラ Econova/Lincoln Tech/Revive
ドレイヤー&レインボールド・レーシング ダラーラ ホンダ 5 バディ・ラジアー Escort Radar Detectors ミシガン戦の後チームを離脱
ライアン・ブリスコー ワトキンズ・グレン、ナッシュビル、ミルウォーキー、インフィニオンに参戦
サラ・フィッシャー Fastenal/iZon ケンタッキーとシカゴランドのみ参戦
31 アル・アンサーJr. A1 Team USA インディ500のみ参戦
/ スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング ダラーラ ホンダ 8 スコット・シャープ Delphi Corporation ロードコースでパノスシャシーを使用
55 松浦孝亮 パナソニック/ARTA
ターゲット チップ・ガナッシ・レーシング ダラーラ ホンダ 9 スコット・ディクソン ターゲット ロードコースでパノスシャシーを使用
10 ダン・ウェルドン ターゲット ロードコースでパノスシャシーを使用
プラヤ・デル・レーシング パノス ホンダ 12 ロジャー安川 インディ500のみ参戦
21 ジャック・ラジアー インディ500のみ参戦
A.J.フォイト・エンタープライズ ダラーラ ホンダ 14 フェリペ・ジアフォーネ ABC Supply Company 8レースに参戦後解雇
ジェフ・バックナム ジアフォーネに代わって残りレースに参戦
41 ラリー・フォイト ABC Supply Company インディ500のみ参戦
レイホール・レターマン・レーシング パノス/ダラーラ ホンダ 15 バディ・ライス Argent Mortgage 最初の5戦とソノマでパノスシャシーを使用
16 ダニカ・パトリック Argent Mortgage 最初の5戦とソノマでパノスシャシーを使用
17 ポール・ダナ Ethanol Promotion and Information Council ホームステッドのプラクティスで事故死
ジェフ・シモンズ 事故死したダナに代わってもてぎより参戦。もてぎからワトキンズ・グレン、ソノマでパノスシャシーを使用。
PDMレーシング パノス ホンダ 18 シアゴ・メデイロス インディ500のみ参戦
ロス・レーシング ダラーラ ホンダ 25 マーティ・ロス Barabco インディ500、ミシガン、ケンタッキー、シカゴランドのみ参戦
チーバー・レーシング ダラーラ ホンダ 51 エディ・チーバー Circle K/Geico チームはカンザス戦の後撤退
トーマス・エンゲ もてぎのみ参戦
52 マックス・パピス Sport Clips インディ500のみ参戦
ルイエンダイク・レーシング パノス ホンダ 61 アリー・ルイエンダイクJr. インディ500のみ参戦
サム・シュミット・モータースポーツ パノス ホンダ 88 アイルトン・ダーレ OCTANE Motors/Sanitec インディ500のみ参戦
ヘメルガーン・レーシング ダラーラ ホンダ 91 P.J.チェッソン Carmelo チームはインディ500の後撤退
92 ジェフ・バックナム Life Fitness インディ500のみ参戦
チーム・リーダー・モータースポーツ パノス ホンダ 97 ステファン・グレゴリー Effen Vodka インディ500のみ参戦
98 P.J.ジョーンズ CURB Records インディ500のみ参戦

ポイントランキング

優勝から10位までは順に50-40-35-32-30-28-26-24-22-20のポイントが与えられ、それ以下は18位までは1ポイントずつ減少し、18位から24位まではすべて12ポイント、25位以下はすべて10ポイントが与えられ、最多リードラップに3ポイントのボーナスポイントを総合しタイトルが争われた。 ペンスキーとチップ・ガナッシの4人のドライバーによって最終戦まで争われた激戦を最終戦でチームメイトを逆転、チップ・ガナッシの猛追をしのいだホーニッシュJr.がウェルドンと同点ながらチャンピオンを獲得した。

順位 ドライバー HMS
STP
MOT
INDY
WGL
TXS
RIR
KAN
NSH
MIL
MIS
KTY
SNM
CHI
ポイント
1 サム・ホーニッシュJr. 3* 8 4 1 12 4 1* 1* 14 2 19 1 9 3 475
2 ダン・ウェルドン 1 16 2 4* 15* 3* 9 2 2* 8 3 4* 6 1* 475
3 エリオ・カストロネベス 2 1* 1* 25 7 1 10 6 5 14 1 3 5 4 473
4 スコット・ディクソン 5 2 9 6 1 2 11 4 1 10 16 2 4* 2 460
5 ヴィットール・メイラ 16 5 10 10 2 6 2 3 3 15 2* 6 3 6 411
6 トニー・カナーン 11 3 3 5 11 7 18 5 12 1* 4 5 11 7 384
7 マルコ・アンドレッティ 15 15 12 2 16 14 4 9 8 5 8 17 1 18 325
8 ダリオ・フランキッティ 4 19 11 7 14 13 3 12 6 6 12 9 2 311
9 ダニカ・パトリック DNS 6 8 8 8 12 15 11 4 4 17 8 8 12 302
10 トーマス・シェクター 9 12 13 27 10 10 7 7 15 3 5 7 17 10 298
11 ブライアン・ハータ 13 4 6 20 13 11 6 13 11 7 11 10 10 15 289
12 スコット・シャープ 7 10 16 9 9 5 5 18 17 12 6 16 14 9 287
13 松浦孝亮 6 7 7 15 18 8 12 8 13 17 9 19 13 11 273
14 エド・カーペンター DNS 20 11 6 9 8 16 10 16 7 11 12 5 252
15 バディ・ライス DNS 13 5 26 4 18 13 17 16 11 13 15 15 13 234
16 ジェフ・シモンズ 18 23 19 15 19 10 7 9 10 14 7 8 217
17 フェリペ・ジアフォーネ 8 9 15 21 5 16 17 19 142
18 バディ・ラジアー 14 14 14 12 19 16 15 15 122
19 エディ・チーバー 10 11 13 17 17 14 14 114
20 ジェフ・バックナム 32 18 13 14 13 18 17 97
21 ライアン・ブリスコー 3 9 18 16 83
22 P.J.チェッソン 12 17 17 33 54
23 マーティ・ロス DNQ 18 18 19 36
24 マイケル・アンドレッティ 3 35
25 サラ・フィッシャー 12 16 32
26 A.J.フォイト4世 14 16
27 マックス・パピス 14 16
28 ロジャー安川 16 14
29 ジャック・ラジアー 17 13
30 ロベルト・モレノ 18 12
31 アイルトン・ダーレ 18 12
32 トーマス・エンゲ 19 12
33 P.J.ジョーンズ 19 12
34 タウンゼント・ベル 22 12
35 アル・アンサーJr. 24 12
36 アリー・ルイエンダイクJr. 28 10
37 ステファン・グレゴリー 29 10
38 ラリー・フォイト 30 10
39 シアゴ・メデイロス 31 10
40 ポール・ダナ DNS1 6
順位 ドライバー HMS
STP
MOT
INDY
WGL
TXS
RIR
KAN
NSH
MIL
MIS
KTY
SNM
CHI
ポイント
結果
金色 優勝
銀色 2位
銅色 3位
4位・5位
水色 6位-10位
青灰色 完走
(11位以下)
リタイヤ
(Ret)
予選落ち
(DNQ)
茶色 撤退
(Wth)
失格
(DSQ)
スタートせず
(DNS)
空欄 欠場
(DNP)
エントリーせず
注釈など
太字 ポールポジション
斜字 ファステストラップ
* 最多リードラップ
(3ポイント)
ルーキーオブザイヤー
ルーキー
順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 DNS
ポイント 50 40 35 32 30 28 26 24 22 20 19 18 17 16 15 14 13 12 12 12 12 12 12 12 10 10 10 10 10 10 10 10 10 6 (7)
  • 同ポイントの場合は勝利数が多い方が上位となる。

1 ポール・ダナはホームステッドのプラクティス・セッションでコントロールを失ったエド・カーペンターの車両と衝突した。ダナは病院に搬送されたものの、頚椎骨折により死亡した。30歳没。

関連項目

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