2003年のインディカー・シリーズとは? わかりやすく解説

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2003年のインディカー・シリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 21:47 UTC 版)

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2003年のインディカー・シリーズ
前年: 2002 翌年: 2004

2003年のインディカー・シリーズは、インディカー・シリーズの8年目のシーズンである。

シーズン概要

トヨタホンダCARTからIRLにエンジン供給を変更し、それに伴い、多くのチーム・ドライバーがIRLへ転向し、陣容が大きく様変わりした。また、下部シリーズとして「インフィニティ・プロ・シリーズ(現インディ・ライツ)」が開始されたのもこの年で、それに伴いこのトップカテゴリーがインディカー・シリーズと呼ばれるようになったのもこの年である。

この年はシーズンを通してトヨタエンジンが優勢で、ホンダとシボレーは共にエース格のトニー・カナーンサム・ホーニッシュJr.がチャンピオン争いに食い込んだ以外は、ほとんどがトヨタエンジンのドライバーで上位を占めた。

上記の通り、ホンダがIRLにエンジンを供給するようになったのに伴い、ツインリンクもてぎでの一戦もこの年からIRLのシリーズ戦として行われるようになり、IRL史上初のアメリカ以外でのシリーズ戦として開催されるようになった。また、鈴木亜久里がメキシコ人ドライバーエイドリアン・フェルナンデス(自身はこの年はCARTでの参戦を継続)と手を組み、ロジャー安川を擁してスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングとして参戦を開始したのもこの年である。

一方、マイケル・アンドレッティは所属していたチーム・グリーンの経営に参画しアンドレッティ・グリーン・レーシングとなったこの年のインディ500(途中リタイヤ)をもってレギュラードライバーとしては引退、ヘルメットを脱いだ(その後2度インディ500にスポット参戦)。また、CART時代からチーム・ペンスキーの復活をエリオ・カストロネベスと共に支えたジル・ド・フェランもこの年のインディ500や最終戦テキサスの優勝を手土産にIRLを引退した。そのド・フェランにかわりペンスキーは翌年からホーニッシュJr.を起用することになる。

その他のトピックとしては、

  • もてぎでの一戦が加わり、さらにレース数が拡大、16戦でシーズンが行われた
  • 高木虎之介もこの年からIRLへ転向、インディ500では2008年のレースまでで日本人最上位記録となる5位フィニッシュを、また6月のテキサスでは3位フィニッシュを果たす(ただし、このテキサスでは危険走行によりポイントの一部を剥奪されている)
  • 服部茂章が序盤4戦に、中野信治がもてぎとインディ500にスポット参戦したが、共に上位進出はならず。服部のIRL参戦はこの年まで、中野のIRL参戦もこの年のみである。
  • この年のシーズン後、チップ・ガナッシ・レーシングはチャンピオンとなったスコット・ディクソンに比べて成績の劣ったトーマス・シェクターに代えて、ケリー・レーシングで2002年、2003年でスポット的な計7戦の参戦ながら光る走りを見せていたトニー・レナを抜擢し、翌シーズンに臨むはずだったが、レナは10月のインディアナポリスでのテスト中に大クラッシュ、事故死した。テスト中の出来事ではあるが、IRL史上2件目のドライバーの死亡事故となった。

2003年の開催スケジュールと結果

もてぎがシーズン序盤戦に入り、(これ以降2008年までインディ500直前のレースとして多く開催)ナザレス・フォンタナが終盤戦に移動した。

ラウンド 開催日 レース サーキット 開催地 ポールポジション ファステストラップ 最多ラップリード 優勝者
1 3月2日 Toyota Indy 300 ホームステッド=マイアミ・スピードウェイ フロリダ州ホームステッド トニー・カナーン トニー・カナーン ジル・ド・フェラン スコット・ディクソン
2 3月23日 Purex Dial Indy 200 フェニックス・インターナショナル・レースウェイ アリゾナ州フェニックス トニー・カナーン スコット・ディクソン トニー・カナーン トニー・カナーン
3 4月13日 インディジャパン300 ツインリンクもてぎ 栃木県茂木町 スコット・ディクソン トーマス・シェクター トニー・カナーン スコット・シャープ
4 5月25日 87th Indianapolis 500 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ インディアナ州スピードウェイ エリオ・カストロネベス トニー・カナーン トーマス・シェクター ジル・ド・フェラン
5 6月7日 Bombardier 500 テキサス・モーター・スピードウェイ テキサス州フォートワース トーマス・シェクター フェリペ・ジアフォーネ トーマス・シェクター アル・アンサーJr.
6 6月15日 Honda Indy 225 パイクス・ピーク・インターナショナル・レースウェイ コロラド州ファウンテン トニー・カナーン トニー・カナーン スコット・ディクソン スコット・ディクソン
7 6月28日 SunTrust Indy Challenge リッチモンド・インターナショナル・レースウェイ バージニア州リッチモンド スコット・ディクソン トーマス・シェクター スコット・ディクソン スコット・ディクソン
8 7月6日 Kansas Indy 300 カンザス・スピードウェイ カンザス州カンザスシティ スコット・ディクソン トニー・カナーン ジル・ド・フェラン ブライアン・ハータ
9 7月19日 Firestone Indy 200 ナッシュビル・スーパースピードウェイ テネシー州レバノン スコット・ディクソン サム・ホーニッシュJr. トニー・カナーン ジル・ド・フェラン
10 7月27日 Firestone Indy 400 ミシガン・インターナショナル・スピードウェイ ミシガン州ブルックリン トーマス・シェクター ブライアン・ハータ サム・ホーニッシュJr. アレックス・バロン
11 8月10日 Emerson Indy 250 ゲートウェイ・インターナショナル・レースウェイ イリノイ州マディソン エリオ・カストロネベス スコット・ディクソン エリオ・カストロネベス エリオ・カストロネベス
12 8月17日 Belterra Casino Indy 300 ケンタッキー・スピードウェイ ケンタッキー州スパータ サム・ホーニッシュJr. サラ・フィッシャー サム・ホーニッシュJr. サム・ホーニッシュJr.
13 8月24日 Firestone Indy 225 ナザレス・スピードウェイ ペンシルベニア州ナザレス スコット・ディクソン サム・ホーニッシュJr. エリオ・カストロネベス エリオ・カストロネベス
14 9月7日 Delphi Indy 300 シカゴランド・スピードウェイ イリノイ州ジョリエット リッチー・ハーン ブライアン・ハータ トーマス・シェクター サム・ホーニッシュJr.
15 9月21日 Toyota Indy 400 カリフォルニア・スピードウェイ カルフォルニア州フォンタナ エリオ・カストロネベス スコット・ディクソン トーマス・シェクター サム・ホーニッシュJr.
16 10月12日 Chevy 500 テキサス・モーター・スピードウェイ テキサス州フォートワース ジル・ド・フェラン トニー・カナーン ジル・ド・フェラン ジル・ド・フェラン

2003年の参戦チーム・ドライバー

チーム シャシー エンジン No. ドライバー スポンサー 備考
チップ・ガナッシ・レーシング Gフォース トヨタ 9 スコット・ディクソン ターゲット
10 トーマス・シェクター ターゲット
パンサー・レーシング ダラーラ シボレー 4 サム・ホーニッシュJr. ペンゾイル
44 ロビー・マギー Pedigo/シボレー インディ500のみ参戦
98 ビリー・ボート Pedigo/シボレー インディ500のみ参戦
チーム・ペンスキー ダラーラ/Gフォース トヨタ 3 エリオ・カストロネベス マールボロ
6 ジル・ド・フェラン マールボロ フェニックスで負傷
6 アレックス・バロン マールボロ フェランに代わってもてぎに参戦
アンドレッティ・グリーン・レーシング ダラーラ ホンダ 7 マイケル・アンドレッティ セブン-イレブン ホームステッドからインディ500まで参戦
11 トニー・カナーン セブン-イレブン
26 ダン・ウェルドン クラインツールズ/ジム・ビーム もてぎ以降に参戦
27 ブライアン・ハータ Archipelago/モトローラ ホームステッド、フェニックス、もてぎ、パイクス・ピークを欠場。フランキッティに代わってインディ500に出場する予定であったが怪我のため欠場
27 ダリオ・フランキッティ Alpine/Archipelago/モトローラ ホームステッド、フェニックス、パイクス・ピークのみ参戦。バイク事故のためシーズン大半を欠場
27 ロビー・ゴードン Archipelago/モトローラ ハータに代わってインディ500に参戦
ケリー・レーシング ダラーラ トヨタ 8 スコット・シャープ デルファイ
32 トニー・レナ Cure Autism Now/HomeMed インディ500のみ参戦
A.J.フォイト・エンタープライズ ダラーラ/Gフォース トヨタ 5 ジャック・ラジアー A.J.フォイト・レーシング テキサスからカンザスまで参戦
5 服部茂章 EPSON ホームステッドからインディ500まで参戦
14 A.J.フォイト4世 コンセコ
41 アイルトン・ダーレ A.J.フォイト・レーシング インディ500のみ参戦。テキサスでスタートせず
ドレイヤー&レインボールド・レーシング ダラーラ シボレー 22 ロビー・ブール Purex/Aventis
23 サラ・フィッシャー Ally Financial/AOL/Raybestos ナザレスでスタートせず
チーム・レイホール ダラーラ ホンダ/トヨタ 15 ケニー・ブラック パイオニア/Miller Lite
19 ジミー・バッサー Argent Mortgage インディ500のみ参戦
モー・ナン・レーシング Gフォース トヨタ 12 高木虎之介 パイオニア
21 アレックス・バロン Hollywood cigarettes ジアフォーネに代わってナッシュビルからナザレスまで参戦
21 フェリペ・ジアフォーネ Hollywood cigarettes 怪我のためナッシュビルからナザレスまで欠場
フェルナンデス・レーシング ダラーラ ホンダ 55 ロジャー安川 パナソニック/ARTA
チーバー・レーシング ダラーラ シボレー 52 バディ・ライス レッドブル ホームステッドからナザレスまで参戦
52 アレックス・バロン レッドブル ライスに代わってジョリエット、フォンタナ、最終戦テキサスに参戦
ベック・モータースポーツ ダラーラ シボレー 54 中野信治 ビアードパパ / オートプロジェクト・ホンダ もてぎとインディ500のみ参戦
チーム・メナード ダラーラ シボレー 2 ヴィットール・メイラ メナーズ/ジョンズ・マンビル 10戦のみ参戦。インディ500ではカーナンバー22
2 ジャック・ラジアー メナーズ/ジョンズ・マンビル ホームステッドからインディ500まで参戦
2 リッチー・ハーン メナーズ/ジョンズ・マンビル ジョリエットのみ参戦
PDMレーシング ダラーラ シボレー 18 エド・カーペンター Metabolife Ultra / PDMレーシング ジョリエット、フォンタナ、フォートワースのみ参戦
18 スコット・メイヤー Bank one / PDMレーシング ホームステッドからもてぎまで参戦。インディ500のルーキー・オリエンテーションを欠場
18 ジミー・カイト Denny Hecker's Auto Connection メイヤーに代わってインディ500に参戦
アクセス・モータースポーツ Gフォース ホンダ 13 グレッグ・レイ TrimSpa ホームステッド、フェニックスを欠場。ジョリエットでスタートせず
ヘメルガーン・レーシング ダラーラ シボレー 91 バディ・ラジアー Metabolife/ヘメルガーン・レーシング ホームステッドを欠場。フォンタナ、最終戦テキサスでスタートせず
91 リッチー・ハーン Delta Faucet/Life Fitness ラジアーに代わってフォンタナ、最終戦テキサスに参戦
サム・シュミット・モータースポーツ Gフォース トヨタ 99 リッチー・ハーン Contour Hardening インディ500のみ参戦

ポイントランキング

優勝から10位までは順に50-40-35-32-30-28-26-24-22-20のポイントが与えられ、それ以下は1ポイントずつ減少し(29位以下はすべて1ポイント)、最多リードラップに2ポイントのボーナスポイントを総合しタイトルが争われた。

ディクソンが3勝・2位5回の安定した速さでチャンピオンを獲得。ド・フェランはもてぎのけがによる欠場が、カストロネベス・ホーニッシュJr.は前半の出遅れが、カナーンは1勝止まりに終わったことが響いた。

順位 ドライバー HMS
PHX
MOT
INDY
TXS
PIK
RIR
KAN
NSH
MIS
GAT
KTY
NAZ
CHI
FON
TXS
ポイント
1 スコット・ディクソン 1 20 15 17 6 1* 1* 6 2 5 15 2 16 2 2 2 507
2 ジル・ド・フェラン 2* 14 1 8 3 3 3* 1 7 3 9 4 12 15 1* 489
3 エリオ・カストロネベス 3 2 22 2 7 12 2 2 3 17 1* 5 1* 20 6 13 484
4 トニー・カナーン 4 1* 14* 3 2 2 5 4 9* 16 2 6 18 6 3 14 476
5 サム・ホーニッシュJr. 10 21 6 15 10 5 4 17 11 2* 6 1* 2 1 1 17 461
6 アル・アンサーJr. 13 4 5 9 1 14 10 14 8 9 20 4 6 19 9 9 374
7 トーマス・シェクター 8 15 16 4* 18* 8 18 9 10 3 4 10 19 5* 5* 15 356
8 スコット・シャープ 5 7 1 20 16 11 17 16 13 4 10 13 12 11 8 6 351
9 ケニー・ブラック 11 5 2 16 4 7 7 5 6 18 19 19 5 21 20 16 342
10 高木虎之介 12 22 8 5 31 6 13 18 7 6 7 18 14 9 18 7 317
11 ダン・ウェルドン 7 19 20 19 8 21 4 20 5 8 7 4 4 3 312
12 ロジャー安川 14 17 21 10 9 17 11 7 15 8 18 12 8 8 7 10 301
13 ブライアン・ハータ DNQ 5 14 1 12 19 21 3 3 3 22 5 277
14 ロビー・ブール 19 12 10 23 22 15 15 12 21 13 12 7 9 10 12 11 261
15 グレッグ・レイ 9 8 11 18 12 8 16 10 8 15 17 DNS 14 8 253
16 バディ・ライス 16 9 13 11 14 9 9 19 18 11 14 11 10 229
17 アレックス・バロン 17 6 5 1 16 20 15 7 10 20 216
18 サラ・フィッシャー 15 8 23 31 15 20 19 11 20 15 13 14 DNS 18 19 12 211
19 バディ・ラジアー 11 19 21 13 10 20 13 14 12 11 16 13 16 201
20 フェリペ・ジアフォーネ 9 3 3 33 17 13 6 22 15 16 19 199
21 A.J.フォイト4世 17 18 18 18 21 22 21 15 17 14 17 17 11 17 17 22 198
22 ヴィットール・メイラ 12 12 16 22 20 19 21 9 DNS 11 4 170
23 ジャック・ラジアー 20 6 12 29 19 21 16 10 DNS 120
24 マイケル・アンドレッティ 6 13 4 27 80
25 ダリオ・フランキッティ 7 16 4 72
26 服部茂章 18 10 20 30 43
27 エド・カーペンター 13 13 21 43
28 リッチー・ハーン 28 14 21 18 39
29 中野信治 11 14 35
30 トニー・レナ 7 26
31 スコット・メイヤー 21 19 24 DNQ 26
32 ジミー・カイト 13 17
33 ロビー・ゴードン 22 8
34 アイルトン・ダーレ 24 DNQ 6
35 ロビー・マギー 25 5
36 ジミー・バッサー 26 4
37 ビリー・ボート 32 1
順位 ドライバー HMS
PHX
MOT
INDY
TXS
PIK
RIR
KAN
NSH
MIS
GAT
KTY
NAZ
CHI
FON
TXS
ポイント
結果
金色 優勝
銀色 2位
銅色 3位
4位・5位
水色 6位-10位
青灰色 完走
(11位以下)
リタイヤ
(Ret)
予選落ち
(DNQ)
茶色 撤退
(Wth)
失格
(DSQ)
スタートせず
(DNS)
空欄 欠場
(DNP)
エントリーせず
注釈など
太字 ポールポジション
斜字 ファステストラップ
* 最多リードラップ
(3ポイント)
ルーキーオブザイヤー
ルーキー
順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33
ポイント 50 40 35 32 30 28 26 24 22 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 1 1 1 1
  • 同ポイントの場合は勝利数が多い方が上位となる。

1 高木虎之介は第5戦テキサスでの危険走行により23ポイントが剥奪された。

関連項目

  • 2003年のフォーミュラ・アトランティック・チャンピオンシップ・シーズン
  • 2003年のCARTシーズン
  • 2003年のインフィニティ・プロ・シリーズ・シーズン

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