1980年からの修復作業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/19 14:46 UTC 版)
「システィーナ礼拝堂壁画修復」の記事における「1980年からの修復作業」の解説
1980年から始まる本格的なフレスコ画修復作業に先駆けて調査が何度も行われ、最初に問題視されたのは上層からの水漏れによる天井画の損傷だった。そして調査の結果を受けて事前修復実験が1979年に実施されている。修復作業を担当するのはジャンルイージ・コラルッチ、マウリツィオ・ロッシ、ピエルジョルジョ・ボネッティらからなるチームだった。ヴァチカンの美術品修復部門の責任者でもあったコラルッチが1978年に公開した「美術品修復に関する規定」を指針として全修復作業を管理することが決められた。「美術品修復に関する規定」によれば、現代の美術品修復作業においてもっとも重要な工程は修復対象の調査と解析で、さらに修復工程のあらゆる局面で詳細な記録を残すことが求められている。写真による修復工程の記録を担当したのは、日本テレビから嘱託された美術写真家の岡村崔 (en:Takashi Okamura) だった。 修復作業の第一段階が1980年6月から1984年10月にかけて実施され、ミケランジェロが描いた天井画のルネット部分の修復が完了した。天井部分全体の修復が完了したのは1989年12月で、引き続いて祭壇画の『最後の審判』の修復が始められた。1994年4月8日には、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世によって修復作業の進捗状況が公表されている。作業の最終段階は壁面のフレスコ画の修復であり、1994年に開始されて1999年12月11日に完了した。
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