0ルピー紙幣の起源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 10:07 UTC 版)
2007年に5th PillarというNPOが、インド人が贈収賄に与しないと意思表示するための手段として0ルピー紙幣を作成した。国の50ルピー紙幣によく似たこれらの紙幣には、「あらゆるレベルの汚職をなくす」「賄賂を授与も受領もしないと誓う」という反汚職のスローガンが印刷されている。 この0ルピー紙幣は、法律上は無料で受けられるはずのサービスを受けるために賄賂を要求されたり、運転免許証の取得などの日常的な公的手続きで不正な課徴金を課されたりしたインド国民が使用するためにデザインされた。インド国民は、この価値のない模擬紙幣で役人に「支払う」ことによって、不法な要求に対する抗議を目に見える形で示すことができる。 5th Pillarは公式声明の中で、「この紙幣は、権力者との直面を恐れることなく、あらゆる人間が汚職にノーと言うための手段だ」と訴えた。 5th Pillar代表のビジェイ・アナンドはプログラムの有効性に満足を表明した。「すでに多くの人が利用し始め、効果を上げています。あるオートリキシャの運転手は、夜中に警官に止められ、『 ”気配りをしてくれるなら” 行ってもいい』と言われたそうです。そこで運転手は代わりに0ルピー紙幣を渡したところ、警察官はショックを受けたが、微笑んで彼を行かせてくれたそうです。この紙幣の目的は、賄賂を断れるという自信を人々に与えることです」 0ルピー紙幣は各個人の抗議の意を示すのみならず、腐敗した役人に政府の組織的な汚職と戦う努力が進行中であることを示すものである。この紙幣を使うことで、役人に賄賂を禁じる法律が存在することを思い起こさせ、役人を恥じたり怖がらせたりして誠実な行動を取らせることを目的としている。 0ルピー紙幣はインドの本物の50ルピー紙幣に似ているが、インド政府が発行しているわけではないので法定通貨ではない。通貨偽造の罪に抵触しないよう、紙幣の片面だけが紙幣に似せて印刷されている。 5th Pillarによると、インド国民は毎年約30億ポンド (約4600億円) の賄賂を支払っているとされるが、内部関係者はこの数字は大幅に低く見積もられていると考えている。
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