X端末とは? わかりやすく解説

X端末

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/31 23:55 UTC 版)

X端末「NCD-88k」の写真
X端末の仕組みの図。X端末は描画部分と入力部分のみを実行する。この例では、Xディスプレイマネージャとクライアントプログラム(xterm と xedit)は共にサーバ側で動作している。

X端末(エックスたんまつ、X Terminal)はコンピュータの一つ。

X Window SystemのXプロトコルを用いた通信により、他のコンピュータ上(ホスト)で実行されたXクライアントアプリケーションの実行結果を表示させる端末である(もちろん入力も出来る)。描画部分(と入力部分)のみを実行するため、処理に負荷がかかる描画処理部分をハードウェア的に分離し、ホストをアプリケーションの処理に特化することで、ホストの負荷を軽減できる。

X端末上で実行するXサーバは、X端末上でファームウェアとして用意されている場合も、また、ホスト側から何らかの方法でダウンロードする方法もある。

X端末は、ホストと比べてハードディスクを持たず、かつ、メモリもXサーバが動作するだけの容量さえあればよいので、XディスプレイマネージャやXクライアントが動作するホスト(通常はUNIXマシン)よりも大幅にコストが下げられる、という利点があった(但し、Xクライアントはローカルで動作する場合もあった[1])。また、それ自身は、管理のための情報をほとんど持たない(ネットワークに接続するためのIPアドレス程度)ため、複数台設置しても管理が容易になる、という利点があった。ソニー・テクトロニクスから発表された低価格X端末「XP200シリーズ」は、CPU LSI33020(33MHz)、メモリ標準4Mバイト/最大36Mバイト、10Base2/T×2、画面表示1023x768/1152x900、ブートROMにフラッシュメモリを採用、リモート・コンフィグレーション機能によってネットワーク上のX端末を一元管理可能であり、価格188,000円~となっていた[2]。しかし、2000年代以降、UNIXマシンの大幅なコストダウンやPCの普及により、専用のX端末というハードウェアをわざわざ用意する必然性が減少したことによりハードウェアとしてのX端末はほぼ終息を迎えた。

出典

  1. ^ X Window System とは”. www.astec-x.com. 2020年11月15日閲覧。
  2. ^ インターフェース 1995年1月号, p. 230.

参考文献

  • 『インターフェース』1995年1月号、CQ出版社、1995年1月。 

X端末

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 14:35 UTC 版)

X Window System」の記事における「X端末」の解説

詳細は「X端末」を参照 X端末は、Xサーバ実行するシンクライアントである。これはUNIXワークステーション高価だったころ、大きめサーバ複数人共有し各人グラフィカル環境使えるようにする安価の手段として人気となったまた、これはMITプロジェクトが本来想定していた方向性でもある。 X端末は、ネットワーク上で X Display Manager Control Protocol (XDMCP) を使って利用可能ホストクライアント実行できるマシン)を探す。まず最初ホストXディスプレイマネージャ起動する必要がある専用ハードウェアとしてのX端末はその後少なくなり、より安価なXサーバ端末としてPC新たなシンクライアント使われるようになっている

※この「X端末」の解説は、「X Window System」の解説の一部です。
「X端末」を含む「X Window System」の記事については、「X Window System」の概要を参照ください。

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