黒漆四方殿舎利厨子
主名称: | 黒漆四方殿舎利厨子 |
指定番号: | 2586 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1998.06.30(平成10.06.30) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | |
員数: | 1基 |
時代区分: | 室町 |
年代: | 15世紀 |
検索年代: | |
解説文: | 本件については、興福寺大乗院第二七代門主である尋尊【じんそん】(一四三〇-一五〇八)の記録『大乗院寺社雑事記』や、興福寺の什宝を記した同尋尊筆の『本尊目六』に「四方殿舎利殿」とみえ、とくに『大乗院寺社雑事記』中、各内壁の金銅金具の仕様や扉絵の主題、御正体円相の径などに関する詳細な記述が本作品と一致するところから、「四方殿舎利殿」が本作品に該当すると考えられている。同日記によれば、文明十年(一四七八)に五輪塔金具の記述を初出とし、明応元年(一四九二)に功成り遂げて開眼供養が行われている。舎利は唐招提寺、東寺、西大寺など、上代から中世の舎利信仰史上重要な役割を担った相伝舎利を含む三十一所相伝の舎利が収集され、本厨子に当てられた。また扉絵は南都絵所松南院座の大輔清賢、金銅金具類の細工は森宗左衛門春清、春日鹿御正体の本地五仏は仏造僧正久蔵主が手がけたことが判明する。 本件は優れた作行を示すとともに、史料からおよその造立年代や造立の経緯、銅細工師や絵師、仏師が判明する希有な舎利厨子の遺例として貴重である。 |
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