高DPI環境
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/16 01:09 UTC 版)
従来のディスプレイ製品は、解像度の向上に伴い、ドット密度はそのままで画面の物理サイズが大型化されることが多かった。 しかし、スマートフォンなど、利用者の視点から画面までの距離が近く、また比較的画面の物理面積が小さいモバイル機器では、Retinaディスプレイに代表される高精細(高DPI)ディスプレイが早くから導入されてきた。一方、ノートPCやデスクトップPCなどでも、Full HD/4K解像度では画面の物理サイズを解像度に比例してそのまま大きくするのではなく、物理サイズは据え置きとする代わりに従来製品よりも高いDPIを持つ高精細ディスプレイが利用されるようになっている。 なお、ソフトウェアシステム側のグラフィカルユーザインタフェース (GUI) の高DPI対応状況は、オペレーティングシステム (OS) やGUIツールキット、あるいはアプリケーションにより様々である。このような高精細ディスプレイを従来の低DPI設定のまま利用すると、ボタンやラベルおよびそれらの内部に含まれるテキストのフォントといったGUI要素の物理サイズが小さくなってしまい、視認性や操作性が低下する。例えば100dpiディスプレイで1インチの物理サイズを持っていたGUI要素は、200dpiディスプレイだと約半分の物理サイズすなわち0.5インチしか持たないことになる。Windowsは、OSのDPI設定に応じてアプリケーションごとにウィンドウ描画内容を拡大表示することができるDPIスケーリング機能を持つが、Windows Vistaで追加されたDPI仮想化モードでは、オフスクリーン描画結果をDesktop Window Managerによって強制的に拡大するので描画内容がボケて表示されてしまうなどの問題点がある。後発のモダンなGUIツールキットでは、ディスプレイDPIに依存した物理ピクセル(デバイス依存ピクセル)ではなく、ディスプレイDPIに依存せず物理的なサイズが常に一定となる論理ピクセル(デバイス非依存ピクセル)の概念を導入し、OSのDPI設定と連動することで高精細ディスプレイに対応している。
※この「高DPI環境」の解説は、「dpi」の解説の一部です。
「高DPI環境」を含む「dpi」の記事については、「dpi」の概要を参照ください。
- 高DPI環境のページへのリンク