飼い主の有無などによる犬の状態の分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 18:04 UTC 版)
「イヌ」の記事における「飼い主の有無などによる犬の状態の分類」の解説
犬と飼い主との関係の有無などを基準に分類すると、おおむね以下のような状態の犬がいる。 飼い犬: 飼い主がいる状態の犬。 迷い犬: 飼い主はいるのだが飼い主とはぐれてしまった犬。いわば迷子になった犬。飼い主は飼い続けるつもりでいて、犬が飼い主のもとにうまく戻りさえすれば、つまり再会できれば「飼い犬」に戻れるのだが、飼い主の側も犬の側も、望んでいるのに互いを見つけられなくなっている状態。(旅先で飼い主と犬がはぐれたり、やんちゃな犬で自宅敷地を勝手に出て迷子になり犬自体は望んでいるのに自力で戻れなくなることなどがある。) 捨て犬: 飼い主に捨てられた犬。飼い主が(なんらかの理由で)飼育することを放棄した犬。 野良犬: 飼い主がいなくなり、人家の周りをうろついて残飯などを食って生きている犬。飼い主に捨てられたり、飼い主とはぐれてしまって、飼い主をいわば「失った」状態になり、住宅街などにとどまり、食べ物を求めてゴミなどをあさって残飯を見つけて食べて生きている状態の犬。 野犬 : (野良犬との境界が曖昧だが)「野犬(やけん)」は、一般には、人から離れて山野に住み着くようになり、鳥獣を捕食するようになった野生化した犬。人から捨てられたり迷子になったりして月日がたつうちに住宅街などからも離れて、行動範囲を主に野原や森や山などに移し、(そこには人間社会が作り出す残飯は基本的に無いので)自力で鳥や小動物などを捕えて食べて生きている犬。いわば「野生帰り」した犬。なお野犬生活が長引くと、荒々しい性格になってゆく。さらにさまざまな野犬の中でも、野犬状態の犬のオスとメスが交尾して生まれて、子犬の時から人とまったく交流したことがない状態で成犬となった個体(いわば「生まれながらの野犬」)は「飼い犬」的な性質はほぼ無く、(野生動物同様に)人に対して強い警戒心や敵対心を抱き、人に慣れさせるのが難しい。オーストラリア大陸のディンゴなども(長期化した、世代を重ねた)野犬の一種である。(なお日本では2011年の福島第一原子力発電所事故によって、いくつもの街・村から人々が強制的に避難させられる事態となり、まるごと無人状態になる街・村ができ、そこで犬を飼っていた人々のほとんどは避難先に犬を連れてゆくことが許されず拒否されたため、やむなく街・村に犬を残す、ということがかなりの件数行われたが、その犬たちは野犬化した。つまり、必ずしも野や森や山などの場所でなくても、たとえ住宅街であっても、そこが無人化して人と交流せず餌ももらえず残飯も無い日々が長期化すれば、犬は野犬化する。また長期化すれば、そこで「生まれながらの野犬」も誕生することになる。) 保護犬 : さまざまな事情で「施設」に保護されている犬のこと。たとえば捨て犬、迷い犬、野良犬、野犬、さらにはブリーダーが飼いきれなくなり(野良犬や野犬にならぬよう)意図的に保護団体に引き渡した犬などが保護犬となる。新たな飼い主(=里親)となることを望む人が名乗り出てその人が諸条件を満たしていれば、その新たな飼い主のもとに引き取られてゆき、その犬は(このリストの一番上の)「飼い犬」状態となる。だが、保護の状態や期間は「施設」の種類により異なっている。日本の保健所などに保護されている犬は、一定の期間を過ぎても里親、引き受け手が現れないと殺処分されてしまう。
※この「飼い主の有無などによる犬の状態の分類」の解説は、「イヌ」の解説の一部です。
「飼い主の有無などによる犬の状態の分類」を含む「イヌ」の記事については、「イヌ」の概要を参照ください。
- 飼い主の有無などによる犬の状態の分類のページへのリンク