食器・家具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/17 03:14 UTC 版)
女性が手にしているのは白ワインが注がれたワイングラスで、グラスの形はドイツを中心に生産されていたベルケマイヤー(英語版)に似ている。グラスがやや緑色がかっているのもベルケマイヤーと同様であり、酸化鉄が原因である。この種のグラスのデザインは木製の杯をもとにしたと言われており、まだフォークが普及する前の食事で指が滑らないように考慮されていた。ワインはビールより高価なため洗練さを象徴しており、グラスを持つ女性の手つきも当時の作法によれば上品な形になっている。ベルケマイヤーをもとに作られたとされるレーマー(英語版)は、17世紀から18世紀のオランダの絵画で多く描かれた。 2人が腰かけている椅子の背もたれにはライオンの頭部が彫刻されており、スペイン椅子と呼ばれる木製の椅子である。装飾がスペイン風であるためこの名で呼ばれたが、ヨーロッパ各地で生産されていた。フェルメールはライオンの頭部の点描でも差し込む光を表現している。 テーブルクロスは緑色であり、兵士の上着の赤色と対照をなしている。当時は緑色の顔料が一般的でなく、黄色と青色を混ぜて作られた。フェルメールは鉛錫黄(英語版)を他の作品でも用いており、黄色は鉛錫黄だった可能性がある。緑色は『窓辺で手紙を読む女』のカーテンなどにも見られる。
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