頭部外傷後遺症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/16 16:11 UTC 版)
頭部外傷を受けた後、3週間以上を経過した慢性期に入ってから発症、もしくは3週間以上経っても残る症候を頭部外傷後遺症(英:posttraumatic cerebral symptom、独:posttraumatisches Hirnsymptom)という。 通常は狭義に、器質的変化が明確でなく自覚症状のみのものを指す。この場合の頭部外傷後遺症の症状は、次のように分類される。 神経衰弱様症状 頭痛、めまい、嘔気、不眠、記憶力低下、全身倦怠など。 内分泌症状 性欲減退、月経異常、体重減少、低血圧など。 自律神経症状 不整脈、発汗異常、蕁麻疹など。 神経症と診断される症状 症例による。 このうち神経症とされるもの以外では軽度の脳萎縮、特に間脳の萎縮が認められることがあるが、症状との直接の関わりについては結論できないことが多い。 一方、広義には肉眼的に病変の明らかな器質的疾患を含めることもある。その場合、器質的変化が明らかなものとしては、頭蓋骨骨折(陥没骨折、進行性頭蓋骨折など)、髄液漏、気脳症、骨髄炎、硬膜外膿瘍、硬膜下膿瘍、脳膿瘍、髄膜炎、頸動脈海綿静脈洞瘻、外傷性動脈瘤、外傷性動静脈瘻、頭蓋内外血管閉塞症、頭血腫、慢性硬膜下血腫、脳神経障害、脳挫傷後の精神障害、知能障害、外傷性てんかんなどがある。
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