進行性頭蓋骨折
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/13 23:12 UTC 版)
乳幼児、特に1歳未満における頭蓋骨骨折は進行性に骨折線が離開し、その辺縁が外方へ膨隆して皮下に髄液が貯留することがあり、これを進行性頭蓋骨折 growing skull fracture という。乳幼児の頭蓋骨内面は硬膜と密に癒着しており、骨折と同時に硬膜の裂傷を生じる場合が多い。硬膜裂傷部から髄液が頭蓋軟部組織中に流出し貯留した状態を偽性髄膜瘤 spurious meningocele という。乳幼児の硬膜外層は骨形成に重要な骨膜としての役割を担うため、骨折断端部は内外面の骨膜が剥離して栄養障害に陥る。乳幼児の頭蓋骨は軟らかく、また脳の拍動が骨膜の剥離した骨に直接伝わるので、骨組織の吸収を生じることが多い。皮下には、クモ膜の癒着によりクモ膜嚢胞が形成されることがあり、また受傷時に損傷を受けた可能性の高い脳表と癒着した肉芽組織が形成されることがある。治療は手術により硬膜および頭蓋骨の形成を施す。また、外傷性てんかんを生じやすいので抗痙攣剤を投与する。
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