頭部付属肢と体節の対応関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 14:28 UTC 版)
「フキシャンフィア類」の記事における「頭部付属肢と体節の対応関係」の解説
フーシェンフイア類の頭部付属肢と体節の対応関係(相同性)、およびそこに含まれる付属肢と体節数は、本群の系統位置を示唆する重要な指標であるため、多くの議論がなされていた。2010年代以前では、それを直接的に証明できる神経解剖学的証拠(脳神経節の構造)が不明のため、対応関係は不確定であった。脳を保存される化石標本が見つかった2012年以降では、少なくとも触角の中大脳性/第1体節由来説が確定的で、SPA前大脳性/先節由来説と触角前大脳性/SPA中大脳性(SPA中大脳性/第1体節由来)説が否定的になった。一方、本群の特徴的なSPAに関しては議論の余地が残されており、後大脳性(第2体節由来)説が最も広く認められるが、大顎類の大顎との類似性に基づいて新たに提唱された大顎説(第3体節由説来、第2体節/後大脳間挿体節説)もある。 *:広く認められる対応関係、×:否定的な対応関係、△:頭部に含まれる部分体節(脳神経節) 分類群 先節(前大脳)1(中大脳)2(後大脳)345×フーシェンフイア類(SPA前大脳性説) △SPA △触角 脚 脚 脚 脚 ×フーシェンフイア類(触角前大脳性/SPA中大脳性説) △触角 △SPA 脚 脚 脚 脚 *フーシェンフイア類(SPA後大脳性説) △ハイポストーマ △触角 △SPA 脚 脚 脚 フーシェンフイア類(後大脳間挿体節/SPA大顎説+前胸部頭部説) △上唇 △触角 △退化(間挿体節) △SPA △脚 △脚 *大顎類(多足類・甲殻類・六脚類など) △上唇 △第1触角 △第2触角/退化(間挿体節) △大顎 △第1小顎 △第2小顎/下唇 *鋏角類 △上唇 △鋏角 △触肢 △脚 △脚 △脚 *Artiopoda類(三葉虫・光楯類など) △ハイポストーマ △触角 △脚 △脚 △脚 脚 *メガケイラ類 △ハイポストーマ △大付属肢 △脚 △脚 △脚 脚 *ラディオドンタ類(前部付属肢前大脳性/先節由来説) △前部付属肢 鰭 鰭 鰭 鰭 鰭 2017年時点で広く認められる、様々な節足動物の頭部付属肢と体節の対応関係。頭部に含まれる体節は黒、前大脳性・中大脳性・後大脳性の体節と付属肢はそれぞれ赤(P)・黄(D)・青(T)で示される。ここでのフーシェンフイア類は通説の通り頭部は前3節のみを含め、SPAは第2体節由来(後大脳性)と解釈される。
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