頭蓋底骨折
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/05 13:42 UTC 版)
頭蓋底骨折 | |
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別称 | Basal skull fracture, skull base fractures[1] |
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重度の頭部外傷を負った人のCT画像の微かに見える側頭骨骨折 | |
概要 | |
種類 | 前頭、中頭、後頭[1] |
診療科 | 救急医学、脳神経外科 |
症状 | 耳の後ろのあざ、目の周りのあざ、鼓膜の奥の出血[1] |
原因 | 外傷[1] |
診断法 | CTスキャナー[1] |
合併症 | 髄液漏、顔面骨折、髄膜炎[2][1] |
治療 | 頭蓋骨内の損傷に基づく[1] |
頻度 | 重度の頭部外傷の約12%[1] |
分類および外部参照情報 |
頭蓋底骨折(とうがいていこっせつ、英: Basilar skull fracture)は頭蓋底骨が骨折した状態のことである[1]。症状は耳の後ろの痣、目の周りの痣、鼓膜内の出血などである[1]。頭蓋底骨折の約20%に脳脊髄液(CSF)の漏洩が発生し、結果鼻蝋や液体が耳から漏れることがある[1]。頭蓋底骨折の14%が合併症である髄膜炎を発症する[2]。その他の合併症には脳神経や血管の傷害があげられる[1]。
一般的に重度の外傷によって起こる[1]。少なくとも側頭骨、後頭骨、蝶形骨、前頭骨、篩骨のいずれか1つ以上が骨折している[1]。頭蓋底骨折は前頭蓋窩、中頭蓋窩、 後頭蓋窩 骨折に分けられる[1]。同時に顔面骨折していることもよくある[1]。診断は一般的にCTスキャンが用いられる[1]。
治療は一般的に頭蓋骨内の損傷具合に基づき行われる[1]。髄液漏が止まらない場合や血管や神経に傷害がみられる場合は手術治療が施される[1]。予防的な抗生物質の使用の必要性は不明確である[3][2]。頭蓋底骨折は重症頭部外傷患者の約12%にみられる[1]。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Baugnon, KL; Hudgins, PA (August 2014). “Skull base fractures and their complications.”. Neuroimaging clinics of North America 24 (3): 439-65, vii-viii. doi:10.1016/j.nic.2014.03.001. PMID 25086806.
- ^ a b c Nellis, JC; Kesser, BW; Park, SS (January 2014). “What is the efficacy of prophylactic antibiotics in basilar skull fractures?”. The Laryngoscope 124 (1): 8-9. doi:10.1002/lary.23934. PMID 24122671.
- ^ Ratilal, Bernardo O; Costa, João; Pappamikail, Lia; Sampaio, Cristina; Ratilal, Bernardo O (2015). “Antibiotic prophylaxis for preventing meningitis in patients with basilar skull fractures”. The Cochrane Database of Systematic Reviews 4: CD004884. doi:10.1002/14651858.CD004884.pub4. PMID 25918919.
頭蓋底骨折
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/13 23:12 UTC 版)
頭蓋底骨折(英:skull base fracture、独:Schädelbasisfraktur)は一般に重症の頭部外傷に伴うことが多いが、比較的軽度の外傷によって生じることもある。頭蓋底には多くの脳神経孔、血管孔、骨縫合線があり、ほとんどの頭蓋底骨折はこれらに向かう。好発部位は前頭蓋底では篩骨板、中頭蓋底ではトルコ鞍周囲、岩様骨であり、後頭蓋底では岩様後頭裂部、大孔周辺などである。骨折の部位に応じて鼻出血、耳出血、髄液鼻漏、髄液耳漏、脳神経の損傷、頭蓋内気腫などの病態を生ずる場合が有る。なお、頭蓋内気腫については多くの場合、髄液漏に伴って起こるものである。 前頭蓋底骨折を示唆する局所所見としては、出血が皮下組織の比較的粗い眼瞼周辺に集まり、眼瞼が腫脹、変色する black eye がある。また、中頭蓋底の錐体骨骨折の徴候としては、乳様突起耳介後部の皮下腫脹変色(バットル徴候 Battle's sign)が見られることがある。治療の際は開放性頭部外傷の扱いとして強力に抗菌薬の投与を行い、続発する合併症に対してはそれぞれの病態に応じて対処する。
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